Claude Code に学習させない設定とは|専用のトグルは存在しない
先に結論を書くと、Claude Code の設定画面をいくら探しても「学習させない」トグルは見つかりません。効くのはアカウント側の設定です。この構造を押さえておくと、以降の手順の意味が通ります。
関連記事:Claude Codeとは?できること・料金・使い方と社内導入の判断軸
オプトアウトが止めるのはモデル改善への利用だけ
学習させない設定とは、入力したデータをモデルの改善に使わせないよう断る「オプトアウト」(opt-out)のことです。
Anthropic は個人向けプランの扱いを 2025年8月28日に変更し、モデル改善への利用を許可するか拒否するかを利用者が選ぶ方式にしました。既存の利用者には選択期限として 2025年10月8日が設けられ、この画面で拒否を選ばないまま使い続けると、会話とコーディングセッションが学習に利用される状態のままになります(出典: anthropic.com)。
ここで取り違えやすいのが、オプトアウトが止める範囲です。止まるのは「モデル改善への利用」であって、サービスを動かすためにコードやプロンプトが Anthropic のサーバーへ送られること自体は止まりません。Claude Code は手元で動きますが、モデルに問い合わせる以上、通信は必ず発生します。機密度の高いコードを扱うなら、設定と併せて何を読ませるかの線引きも必要になります。
Claude Code の設定画面に学習のトグルが無い理由
Claude Code には学習の可否を切り替える専用の設定がありません。サインインしているアカウントのモデル改善設定をそのまま引き継ぐ仕組みだからです。公式ドキュメントも、Free・Pro・Max のアカウントで設定がオンのとき、それらのアカウントから Claude Code を使った分を含めて新しいモデルの学習に使うと明記しています(出典: claude.com)。
つまり Claude Code だけを個別にオプトアウトすることはできません。ターミナルの設定ファイルを探すのではなく、ブラウザでアカウントのプライバシー設定を開くのが正しい入口になります。一方で、後述するフィードバック送信や利用統計のように、アカウント設定とは別系統で動く送信経路は Claude Code 側にあります。学習の可否はアカウント、それ以外の送信は Claude Code、と切り分けて考えると混乱しません。
Claude Code のデータが学習に使われる条件|サインイン方法で決まる仕組み
同じ Claude Code でも、どの認証情報で動かしているかによって既定の扱いが逆になります。ここを取り違えると、必要のない設定に時間を使ったり、逆に必要な設定を見落としたりします。
関連記事:Claudeに学習させない設定方法|オプトアウト手順とデータ保持の注意点
個人プランでサインインして使うと学習の対象になります
Claude Pro や Claude Max のサブスクリプションでサインインして Claude Code を使う場合、アカウントのモデル改善設定がオンなら学習の対象になります。無料の Free プランも同じ扱いです。個人の契約でそのまま業務のコードを触っている場合は、この経路に当てはまります。
この場合、止めるにはアカウント側でオプトアウトするしかありません。プロジェクトごとに使い分けることもできないため、業務と私用でアカウントを分けているなら、業務側のアカウントで設定を確認しておく必要があります。
API キーやクラウド経由なら既定で学習の対象外です
Anthropic の API キーを使う場合、Amazon Bedrock や Google Cloud、Microsoft Foundry 経由で動かす場合、Team・Enterprise の商用契約で使う場合は、いずれも既定で学習に使われません。公式ドキュメントは、商用条件で Claude Code に送られたコードやプロンプトを生成モデルの学習に使わないと記載しています(出典: claude.com)。
ただし例外が一つあります。組織の管理者が Development Partner Program に明示的に参加を申し込んだ場合は、提供した素材が学習に使われます。これは Anthropic の第一者 API のみが対象で、Amazon Bedrock や Google Cloud の利用者は対象外です。申し込んだ覚えがなければ気にする必要はありませんが、組織で導入している場合は管理者に確認しておくと確実です。
契約形態別のデータの扱いとデータ保持期間
学習の可否とデータ保持期間は連動しています。モデル改善への利用を許可すると保持期間が延びる設計になっているため、両方をまとめて見ておくのが確実です。
| 利用形態 | 既定で学習に使われるか | データ保持期間 |
|---|---|---|
| Free・Pro・Max(モデル改善オン) | 使われる | 最大5年 |
| Free・Pro・Max(モデル改善オフ) | 使われない | 30日 |
| Team・Enterprise | 使われない | 標準30日 |
| Anthropic API | 使われない | 標準30日 |
| Amazon Bedrock・Google Cloud・Microsoft Foundry | 使われない | 各クラウドの契約に従う |
Enterprise 契約では、サーバー側にデータを残さないゼロデータ保持を使える場合があります。ただし標準の Enterprise プランに含まれているわけではなく、資格を確認したうえで組織単位で個別に有効化する形です(出典: claude.com)。必要な場合は営業担当へ問い合わせる前提で考えておきます。
【手順】Claude Code に学習させない設定の使い方
ここからが本題です。アカウント側のオプトアウトに加えて、Claude Code 固有の送信経路を一つずつ止めていきます。自分の使い方に当てはまるステップから確認してください。
全国8,000人調査で、AI活用方法によって生産性向上に約3.8倍の差が生まれることが判明。
ステップ1|アカウントのモデル改善設定をオフにする
まず Claude Code が引き継ぐ大元の設定を切ります。ブラウザで claude.ai/settings/data-privacy-controls を開き、モデル改善に関する項目をオフにします。この設定はアカウント単位で反映されるため、複数の端末で同じアカウントを使っていても一度で済みます。
オフにした効果は、切り替えた時点より後の入力に適用されます。それ以前に送ったデータは当時の設定に従うため、過去分が気になる場合は会話やセッションの削除も併せて行います。なお、この設定を切っても提供中のモデルの性能が下がることはありません。学習への提供とツールとしての品質は別のものです。
ステップ2|フィードバック送信コマンドを止める
Claude Code で /feedback を実行すると、コードを含む会話履歴が Anthropic に送られます。/bug と /share も同じ経路を通ります。ここが見落とされやすい理由は、アカウントのオプトアウト設定とは無関係に動くからです。
送信の中身と範囲は次のとおりです。
- 送られるもの:会話履歴とその中に含まれるコード。Google Cloud Storage に保存されます
- 保持期間:5年間
- 送信範囲の既定:現在のセッションのみ。送信前に、同じプロジェクトの過去24時間分や7日分も選べます
- 公開される可能性:任意で公開リポジトリに Issue が作成される場合があります
機密性の高いコードを扱うなら、コマンド自体を無効化しておくのが確実です。環境変数 DISABLE_FEEDBACK_COMMAND に 1 を設定すると、この経路が止まります。なお Amazon Bedrock や Google Cloud 経由で使っている場合、/feedback は既定で送信されず、~/.claude/feedback-bundles/ にローカル保存されるだけです。自分でファイルを送らない限り手元から出ません。
ステップ3|セッション品質サーベイを止める
作業中に「How is Claude doing this session?」という評価のプロンプトが出ることがあります。この評価そのものは点数だけが記録され、会話の中身は送られません。注意が必要なのは、その後に続く二段目の質問です。
二段目では、セッションの記録を見てよいかを尋ねられます。ここで Yes を選ぶと、会話の記録、サブエージェントの記録、ディスク上のセッションログがアップロードされます。既知の API キーやトークンのパターンは伏字にされますが、ソースコードとファイルの中身はそのまま送られます。保持期間は最大6か月です(出典: claude.com)。
このサーベイ由来のデータがモデルの学習に使われることはありません。とはいえ社外にコードが出ること自体を避けたい場合は、環境変数 CLAUDE_CODE_DISABLE_FEEDBACK_SURVEY に 1 を設定して表示自体を止めます。完全に消すのではなく頻度だけ下げたい場合は、設定ファイルの feedbackSurveyRate に 0 から 1 の間の値を指定します。
ステップ4|利用統計とエラーレポートを止める
Claude Code は運用のためのテレメトリを2系統送っています。中身が違うので、必要に応じて別々に止められます。
- 利用統計:応答速度や安定性、使われ方の傾向。コード・プロンプト・ファイルパスは含まれません。
DISABLE_TELEMETRYに1を設定すると止まります - エラーレポート:Claude Code 自身の内部エラーとスタックトレース。秘密情報・ファイルパス・メールアドレスなど既知のパターンは伏字にしてから送られます。
DISABLE_ERROR_REPORTINGに1を設定すると止まります
エラーレポートが送られるのは、Pro か Max のサブスクリプションでサインインし、Anthropic の API に直接つないでいる場合に限られます。Amazon Bedrock や Google Cloud 経由では、利用統計もエラーレポートも既定でオフです。
まとめて止めたい場合は、CLAUDE_CODE_DISABLE_NONESSENTIAL_TRAFFIC を設定すると必須でない通信を一括で切れます。ただし一つだけ例外があります。WebFetch でページを取得する前の安全性チェックは、この設定でも止まりません。送られるのはホスト名だけでパスやページの中身は含まれませんが、それも避けたい場合は設定ファイルで skipWebFetchPreflight を true にします。
ステップ5|チーム全員に同じ設定を配る
ここまでの設定を各自の判断に任せると、必ず設定漏れが出ます。Claude Code は設定ファイルの置き場所によって適用範囲が変わるので、プロジェクトの設定としてリポジトリにコミットしてしまえば、全員に同じ状態を配れます。
設定ファイルは次の優先順位で読まれます。
- 管理設定:組織が配布するもの。利用者側で上書きできません
- コマンドライン引数:起動時に指定した内容
.claude/settings.local.json:個人用。Git の管理対象外にします.claude/settings.json:プロジェクト用。リポジトリにコミットして共有します~/.claude/settings.json:利用者ごとの既定値
ここまでで挙げた環境変数は .claude/settings.json の env に書けるため、リポジトリに含めておけば参加した時点で同じ設定が効きます。あわせて permissions.deny に Read(./.env) や Read(./secrets/**) のような指定を入れておくと、認証情報を含むファイルをそもそも読ませずに済みます。学習の設定と読ませない設定を同じファイルで管理できるので、手順書を配るより確実です。
ステップ6|設定が効いているかを確認する
最後に手元の状態を確かめます。Claude Code はセッションの記録を ~/.claude/projects/ に平文で保存しており、既定の保持期間は30日です。これはサーバー側の話ではなく自分の端末の中の話なので、オプトアウトとは別に管理する必要があります。
手元に残る記録は、次の2つで調整できます。
cleanupPeriodDays:設定ファイルに日数を指定して保持期間を短くします。最小値は1日ですCLAUDE_CODE_SKIP_PROMPT_HISTORY:環境変数を設定すると書き出し自体が止まります。ただしセッションの再開ができなくなるため、運用への影響を確かめてから切り替えます
アカウント側については、設定画面を開いてオフのままになっていることを定期的に見直します。学習に使われたかどうかを利用者側から直接確認する手段は提供されていないため、設定の状態を目視で確認し、機密情報はそもそも入力しない運用と組み合わせるのが確実です。
全国8,000人調査で、AI活用方法によって生産性向上に約3.8倍の差が生まれることが判明。
学習させない設定だけでは防げない範囲
設定を一通り終えても、残るものがあります。オプトアウトはモデル改善への利用を止める手続きであって、データが一度も外に出ない状態を作るものではありません。プロンプトと読ませたファイルの中身は、応答を返すために必ず送信されます。保持期間の30日や5年という数字は、送られた後にどれだけ残るかの話です。
そのため、確実な線引きは入力する情報を絞ることに戻ってきます。認証情報や顧客名を含むファイルは permissions.deny で読ませない、ファイル名に取引先名や案件名を入れない、といった運用側の対策を併用します。
GiftX の調査でも、個人が感じている課題の1位は「どこまでAI活用していいか判断できない」(27.7%)で、組織側では「利用ルール・ガイドラインがない」が19.1%と上位に入っていました。設定を配るだけでなく、扱ってよい情報の範囲を決めて共有するところまでが必要になります。
詳細な調査データは「ビジネス職生成AI活用実態調査(2026年版)」にてご覧ください。
関連記事:Claude Code は安全に使える?セキュリティリスクと最初にすべき設定
学習させない状態を保つための設定チェックリスト
設定は一度やって終わりではありません。メンバーの入れ替えやアカウントの切り替えで前提が動くため、確認する項目を担当ごとに分けて整理します。
管理者が確認する項目は次のとおりです。
- 契約形態の把握:チームが個人プランのサインインで使っているか、API や Amazon Bedrock 経由かを把握しているか
- プロジェクト設定の配布:
.claude/settings.jsonをリポジトリに含め、環境変数が全員に効く状態か - 読ませないファイルの指定:
permissions.denyに認証情報や機密ファイルの指定が入っているか - 参加プログラムの確認:Development Partner Program に申し込んでいないか
利用者が確認する項目は次のとおりです。
- アカウント設定:モデル改善の設定がオフのままになっているか
- フィードバック送信:
/feedbackや/bugを使う前に、送信範囲を確認する運用になっているか - サーベイの回答:セッションの記録を送ってよいかの質問に、内容を確かめずに Yes を選んでいないか
- ローカルの記録:
~/.claude/projects/の保持期間が扱うコードの機密度に見合っているか
この一覧をそのまま手順書に転記すれば、確認の抜けはかなり減らせます。ただし配って終わりにすると形骸化するので、四半期に一度など見直す頻度まで決めておくところまでが設計です。
AIエージェント導入で陥りがちな3つの落とし穴
データの扱いの前提が整うと、次は使い方の設計に進みます。ここで足踏みする組織には共通のパターンがあります。
落とし穴1|いきなり全てをやろうとする
最初から複数の業務を同時に置き換えようとすると、検証の対象が広がって効果が測れなくなります。1つの業務に絞れば、削減できた時間も品質の変化も追いかけられます。どこで詰まったかも特定しやすくなります。
落とし穴2|壮大なAI戦略から考えて手が止まる
全社の方針を固めてから着手しようとすると、議論の段階で数か月が過ぎます。方針は運用しながら精度を上げるほうが早く、先に小さく動かした事実が方針づくりの材料にもなります。
落とし穴3|既製品のチャット型AIでは業務フローに組み込めない
汎用のチャット型ツールは、自社の手順や判断基準を覚えていません。毎回の指示で補うことになり、業務フローに組み込める品質まで届かないまま試用で終わります。
スモールスタートで1業務をAIエージェントに任せる
無理のない進め方は、成果を測れる1業務を選び、そこにだけAIエージェントを組み込むことです。自社の情報と手順を覚えさせ、同じ品質で繰り返し実行できる状態を作ってから、隣の業務へ広げます。Claude Code のデータの扱いを整えるのも、この最初の1業務を安全に動かすための前提づくりにあたります。
GiftX では、こうしたスモールスタート前提のAIエージェント構築を1業務単位から伴走支援しています。詳細は AIエージェント構築支援サービス をご覧ください。
Claude Code の学習設定に関するよくある質問
設定の前後で問い合わせが集まりやすい点をまとめます。
Claude Code だけ学習をオフにできますか
できません。Claude Code には専用の設定がなく、サインインしているアカウントのモデル改善設定をそのまま引き継ぎます。オフにする場合はブラウザでアカウントのプライバシー設定を開きます。
オプトアウトすると回答の質は落ちますか
落ちません。オプトアウトは今後の学習に自分のデータを使わせない設定であり、提供中のモデルの性能を下げるものではありません。日常の使い勝手が変わることも基本的にありません。
設定する前に書かせたコードはどうなりますか
切り替えた時点より後の入力に適用されるため、それ以前の分は当時の設定に従います。気になる場合は会話やセッションの削除を併せて行います。ただし不正利用の監視などの目的で一定期間保持される場合があります。
API キーで使っていてもオプトアウトの設定は要りますか
学習の観点では不要です。API 経由は既定で学習の対象外だからです。ただし利用統計やエラーレポートは別系統で動くため、通信そのものを減らしたい場合は環境変数での停止を検討します。
通信を全部止めれば安全ですか
通信をすべて止めることはできません。モデルに問い合わせる以上、プロンプトと読ませたファイルの中身は必ず送られます。止められるのは学習への利用と、必須ではない付随的な送信までです。
まとめ
Claude Code に学習させない設定は、アカウントのモデル改善設定をオフにするのが起点になります。Claude Code 側に専用のトグルは無く、Pro や Max のサインインで使えば学習の対象、API や Amazon Bedrock 経由なら既定で対象外という具合に、認証経路で扱いが変わります。
そのうえで、アカウント設定では止まらない /feedback の送信、セッション品質サーベイの記録アップロード、利用統計とエラーレポートを個別に切ります。チームで使うなら .claude/settings.json に環境変数と permissions.deny を書いてリポジトリに含め、全員に同じ状態を配るところまでをやり切ります。あとはどの業務にどう使うかを1業務ずつ小さく決めていくのが、結果的に早く定着します。
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