【2026年調査】ビジネス職の生成AI活用実態|職種別の利用率・成果を8,000人調査で解説

【2026年調査】ビジネス職の生成AI活用実態|職種別の利用率・成果を8,000人調査で解説
目次

生成AIは、もう一部の先進企業だけのものではありません。オフィスで働く人の多くが、日々の業務で当たり前のように使いはじめています。ただ、「使っている」ことと「成果が出ている」ことのあいだには、小さくない差があります。

GiftXが2026年6月に実施した「ビジネス職生成AI活用実態調査(2026年版)」(事前調査8,000名、本調査はオフィス系7職種のAI利用者669名)では、AIの利用率が約67%に達する一方で、生産性が「明確に上がった」と実感している人は約2割にとどまりました。本記事では、7職種のデータをもとに、その差がどこで生まれるのかを見ていきます。

朝山 高至
AIエキスパート

GiftXにてマーケティング・PdM・AI推進を担当。自社事業GIFTFULにて、AIエージェントを活用したマーケティング・営業業務の自動化を主導。

生成AIは「使うのが当たり前」に|利用率と頻度で見る現在地

オフィス系7職種の生成AI利用率(約67%)と利用頻度の内訳を示すグラフ

どれくらいの人が生成AIを使っているのか。オフィス系7職種の利用率は約67%です。全職種平均(事前調査ベース)の47%と比べると、デスクワーク中心の職種でAIが一段深く根づいています。実際、製造(29.0%)や物流(23.6%)などデスクワーク以外の職種は20%台にとどまり、ホワイトカラーとの差は最大で約3倍。生成AIは、まずデスクワークから浸透しています。

職種別に見ると、利用率の高い順は次のとおりです。

職種AI利用率
エンジニア74.7%
マーケティング73.7%
経営・経営企画73.2%
カスタマーサクセス69.7%
営業62.4%
管理部門61.1%
デザイナー60.3%

利用の頻度も高い水準です。AI利用者のうち、ほぼ毎日使う人が41.1%、週に数回が36.0%、月に数回が22.9%。毎日〜週数回の高頻度利用者が約77%を占めます。生成AIは「たまに試す」段階を越えて、日常業務のなかに定着しつつあります。

利用率は業種によっても差が大きく、IT・情報通信の74.8%に対し、公務・官公庁は18.2%と、最大で約4倍の開きがあります。

業種別の生成AI利用率を比較した棒グラフ(IT・情報通信74.8%〜公務・官公庁18.2%)

成果が「明確に上がった」のは約2割|普及と実感のギャップ

生産性・成果品質が「明確に上がった」と答えた人の割合(約2割)を示すグラフ

ところが、利用の広がりは、そのまま成果の実感につながっているわけではありません。

生産性について「向上を実感している(明確に上がった+やや上がった)」人は約7割います。ただし、「明確に上がった」と答えた人は19.4%にとどまります。成果・品質も同じ傾向で、「明確に上がった」は20.2%です。多くの人の実感は「やや上がった」どまりで、はっきりした成果には届いていません。

なお本調査の「明確に上がった」は、5段階評価の最上位のみを集計した数字です(「やや上がった」は含みません)。控えめに見積もった基準でも、はっきり成果を実感できている人は約2割、という結果です。

「使ってはいるが、効果は限定的」。この差はどこから来るのか。分かれ目は、AIの使い方の深さにあります。

AI活用の4レベル|7割が「チャット止まり」

AI活用の4レベル(L1〜L4)の定義と全体分布を示す図

本調査では、AIの使い方を「業務への組み込み度合い」で4つのレベルに分けて分析しました。ツールの利用有無ではなく、どこまで自分の業務に踏み込ませているかで整理する軸です。

  • L1|チャットで質問:都度チャットで質問・相談・調べ物をする
  • L2|チャットで作成:都度チャットで文章・資料・企画案などの成果物を作らせる
  • L3|覚えさせて実行:自社の情報や業務手順を覚えさせ、繰り返し同じ品質で実行させる
  • L4|AIエージェント化:AIエージェントが複数工程の業務を半自動〜自動で進める

全体の分布は次のとおりです。

活用レベル割合
L1 チャットで質問28.1%
L2 チャットで作成42.2%
L3 覚えさせて実行19.3%
L4 AIエージェント化10.5%

チャットで完結する使い方(L1+L2)に7割(70.3%)がとどまり、業務そのものをAIエージェント化しているL4は約1割(10.5%)です。多くの人にとって生成AIは、いまも「その都度、質問や作成を頼む相手」であり、「業務を任せる仕組み」には至っていません。

※AI活用レベルは「AIを業務にどう組み込んでいるか」を測る軸であり、AI活用の高度さ全般を示すものではありません(たとえばエンジニアの高度なコーディング支援などは、この軸には現れません)。

成果の分岐点は「AIエージェント化」|チャット止まりとの差は約3.8倍

AI活用レベル別に生産性が明確に向上した人の割合を比較したグラフ(L4は約3.8倍)

この「深さ」が、成果を大きく左右します。レベル別に「生産性が明確に上がった」と答えた人の割合を並べると、差がはっきり表れます。

活用レベル生産性が明確に向上成果・品質が明確に向上
L1 チャットで質問13.8%19.2%
L2 チャットで作成14.5%16.3%
L3 覚えさせて実行19.4%17.1%
L4 AIエージェント化54.3%44.3%

チャット止まり(L1+L2)の層で生産性が明確に向上した人は14.3%。L4の層では54.3%と、約3.8倍になります。成果・品質でも17.4%→44.3%(約2.5倍)、「AIがとても役立っている」という実感も26.2%→68.6%(約2.6倍)と、エージェント化層が大きく上回ります。

注目したいのは、L3(覚えさせて実行)の段階では成果がまだ大きく伸びていない点です。自社情報を学習させただけでは成果は割れやすく、L4で複数工程を任せる運用に踏み込んで、実感が大きく上がります。ツールの有無ではなく、業務にどこまで深く組み込み、育てているか。ここが成果の分かれ目です。

成果を分けるのは、レベル(深さ)だけではありません。AIを使う「業務の幅」も成果と関係します。一例として、マーケティングではAIを使う業務が5つ以上ある人の生産性明確向上が35.7%だったのに対し、4業務以下では4.2%でした(参考値・複数回答)。一つの業務を深く任せる(深さ)と、複数の業務に広げる(幅)。この両輪が回るほど、成果実感は高まります。

なお、これはクロス集計による相関であり、「AIエージェント化したから成果が出た」という因果を示すものではありません。ただ、成果を実感できている層ほど使い方が深い、という傾向ははっきり表れています。

職種で違う「到達度」と「つまずき方」

職種別のAI利用率・生産性明確向上・AIエージェント化率を比較したグラフ

同じAIでも、職種によって到達しているレベルも、つまずく場所も異なります。利用率・生産性の明確向上・AIエージェント化(L4)率を職種で比べると、必ずしも足並みはそろいません(※各職種 n=69〜100。職種間の比較は業務の性質・成果の出やすさの違いを含むため、優劣として読むものではありません)。

目を引くのは、利用率と成果実感が一致しない点です。マーケティングは利用率2位(73.7%)ながら、生産性の明確向上は7職種で最下位(13%)。エンジニアは利用率トップ(74.7%)ながら、AIエージェント化率は5%と最も低い水準です。「よく使っている職種=成果が出ている職種」とは限りません。

職種ごとに利用率と成果実感が一致しない実態を示すグラフ

何に使っているかも、職種で大きく異なります。

職種AIを最もよく使っている業務(上位)
経営・経営企画情報収集・リサーチ/社内資料/新規事業の壁打ち
営業提案・打合せ資料/社内資料/営業リスト作成
マーケティングデータ分析/メール配信・シナリオ/制作物
管理部門議事録/データ集計・分析/社内資料
カスタマーサクセス問い合わせ対応/議事録/FAQ・ヘルプ
エンジニア社内資料/技術調査/コード生成
デザイナーアイデア出し/画像・イラスト生成/リサーチ
職種ごとにAIを最もよく使っている業務を示した図

つまずく場所も職種で違います。営業は「どこまでAIに任せてよいか判断できない」、マーケティングは「毎回の指示に手間がかかる・チャット止まりで自動化に進めない」、エンジニアは「利用は濃いがエージェント化がもっとも遅い」、デザイナーは「出力が実務でそのまま使えない」。詰まり方が分かれるため、一律の研修ではなく、職種ごとの型が必要になります。

使いこなしは役職でも差が出る|経営層ほど高度に活用

役職別のAI利用率とAIエージェント化(L4)到達率を示すグラフ

活用の差は、職種だけでなく役職にも表れます。利用率は一般社員42%、管理職69%、経営者・役員62%(※役職別は参考値)。役職が上がるほどAIを使っており、使い方のレベルも高くなります。

AIエージェント化(L4)に到達している割合は、経営者・役員が21%と、一般社員の8%の2倍以上です。判断業務が多く、AIに任せる範囲を自分で決められる立場ほど、高度な活用へ進んでいます。裏を返せば、AI活用は現場任せにしていては全社に広がりにくく、意思決定層が旗を振って進むテーマだといえます。

つまずきの正体は「個人任せ」|組織と個人の課題

個人・組織それぞれが感じるAI活用の課題の上位項目を示すグラフ

では、なぜ多くの人がチャット止まりから抜け出せないのか。課題を個人・組織の両面から見ると、理由がはっきりします。

個人が感じている課題の上位は、「どこまでAI活用していいか判断できない」(27.7%)、「出力の質が実務でそのまま使えない」(27.4%)、「毎回の指示・調整に手間がかかる」(26.5%)、「進化が速くキャッチアップできない」(25.7%)。いずれも、チャットの限界に突き当たっている悩みです。

一方、組織側の課題として最も多かったのが**「AI活用が個人任せになっている」(25.9%)**でした。経営職に限ると37%まで上がります。個々人が工夫で使ってはいるものの、業務に組み込む仕組みや型、ナレッジが組織に蓄積されていません。ここが、チャット止まりから先へ進めない最大の理由です。

その裏返しとして、組織に足りないものには研修制度(20.6%)、業務に組み込む仕組み・専門人材(19.1%)、蓄積されたナレッジ(17.3%)が挙がります。いずれも「個人の頑張り」では埋まらない、組織側の仕組みに関わる不足です。

意欲が足りないわけではありません。「もっと活用したい」と答えた人は約6割(59.9%)います。足りないのは情熱ではなく、AIを業務に組み込む仕組みとナレッジのほうです。

成果につなげる進め方|「使う」から「育てる」へ

AIを「使う」から「育てる」へ移行するための3つの進め方を示す図

チャット止まりから抜け出し、成果を出している層に共通するのは、AIを「使う」から「育てる」へと運用を切り替えている点です。調査結果からは、次の3つの進め方が読み取れます。

  1. 業務を理解している人が設計に関わる:現場の業務手順を知る人がAIの使い方を設計することで、実務で使える出力に近づく
  2. 1つの業務から小さく始める:全社一斉ではなく、自職種の頻出業務ひとつをAIエージェント化の対象にする
  3. 走りながら改善する:一度で完成させようとせず、使いながら学習データと手順を整えていく

突き詰めると、成果を出している層に共通するのは2つの条件です。ひとつは①学習データの整備(自社の情報・業務手順を、AIが使える形に整えること)。もうひとつは②使いながら育てる(一度で完成を目指さず、改善を重ねること)。上の3つの進め方は、この2条件を現場で回すための段取りです。

実際、AIエージェント化(L4)に到達している層は、チャット止まりの層より「もっと積極的に活用したい」と答える割合が高く(72.9%対58.3%)、悩みの質も変わります。課題の1位は「毎回の指示・調整に手間」(32.9%)、次いで「時間が取れない」(30.0%)。使うかどうかの段階を越えて、「どう磨き込むか」に関心が移っています。成果は、導入した瞬間ではなく、育てた先に現れます。

まとめ

調査からわかったのは、次の3点です。

  • 生成AIの利用率は約67%と定着したが、生産性が「明確に上がった」のは約2割にとどまる
  • 差を分けるのはツールの有無ではなく使い方の深さで、チャット止まりからAIエージェント化(L4)へ進むと生産性の明確向上は約3.8倍になる
  • 多くの職種・役職がチャット止まりで足踏みする最大の理由は「AI活用が個人任せ」で、必要なのは業務に組み込む仕組みとナレッジ

自社・自職種が今どのレベルにいて、次にどこへ進めばよいのか。それを客観的なデータで把握することが、成果につなげる第一歩になります。

調査レポート全文を無料でダウンロード

本記事で紹介した7職種のAI活用レベル・成果実感・つまずきの詳細データは、調査レポート「ビジネス職生成AI活用実態調査(2026年版)」にまとめています。自社・自職種の現在地を客観データで把握する資料としてご活用ください。

調査レポートを無料でダウンロードする

GiftXは、マーケティング・営業をはじめとする各職種のAI活用を、「使わせる」で終わらせず成果まで伴走する支援を行っています。

GiftX AIエージェント構築支援 サービスサイト

SHARE
eBook
マーケティング・営業のAIエージェント構築事例を無料配布

マーケティング・営業におけるAIエージェント構築の事例・支援メニュー・料金体系をまとめた資料を、即時ダウンロードできます。

資料請求フォームへ →