Gemini Enterpriseの料金と機能|Business・Standardの違いと選び方

Gemini Enterpriseの料金と機能|Business・Standardの違いと選び方
目次

Gemini Enterpriseとは、Google Cloudが提供する企業向けのAIエージェント基盤です。社内のデータにつないだ検索や資料作成、ノーコードでのエージェント作りを1つの画面で扱え、料金は1ライセンスあたり月額21ドルからです(2026年10月時点)。

本記事では、Gemini Enterpriseでできること、エディション別の料金、Google WorkspaceのGeminiとの違い、導入の進め方を整理します。

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Gemini Enterpriseとは|Google Cloudの企業向けAIエージェント基盤

社内データをつなぐの図解。企業向けのAI基盤、社内データへの接続、横断検索と分析、資料の作成、エージェントの作成

Gemini Enterpriseとは、従業員が社内のデータを使ってAIエージェントを探し、作り、共有し、実行できる、Google Cloudの企業向けサービスです。Googleは正式にはGemini Enterprise appと呼び、あらゆる従業員が最先端のGoogle AIを業務で使えるエージェントの基盤と説明しています(出典: cloud.google.com)。

AIエージェントとは、指示を受けて複数の手順を自分で進めるAIのことです。Gemini Enterpriseでは、チャットで質問するだけでなく、社内のツールにつないだうえで調査や資料作成を任せられます。

Gemini Enterpriseでできること

Googleの製品ページでは、主に次の4つが挙げられています(出典: cloud.google.com)。

  • 社内データへの接続:Googleドライブ、Microsoft OneDrive、SharePoint、HubSpot、Jiraなどにつなぎ、回答をそのデータに基づかせる
  • 横断検索と分析:1つの質問で、つないだデータ全体から答えと分析を得る
  • 資料の作成:文章・画像・動画を生成し、Microsoft 365やGoogle Workspaceの形式でメールやレポート、プレゼン資料を作る
  • エージェントの利用と作成:Deep ResearchやGemini Notebookなどの既製のエージェントを使い、Workflow Builderでノーコードのエージェントを作る

なかでも特徴的なのは、Google Workspaceだけでなく、Microsoft 365や他社のSaaSにもつなげる点です。社内の資料が複数のサービスに散らばっている企業でも、1か所から横断して探せます。

Google WorkspaceのGeminiとの違い

Google Workspaceの各プランにも、GmailやGoogleドキュメントなどのアプリの中でGeminiを使える機能が含まれています(出典: workspace.google.com)。両者の違いは、AIを使う場所と、つなげるデータの範囲にあります。

項目Google WorkspaceのGeminiGemini Enterprise
使う場所Gmailやドキュメントなど各アプリの中専用の画面で、複数のツールを横断して使う
つなげるデータ主にGoogle Workspace内のデータGoogle Workspace、Microsoft 365、他社のSaaS
エージェント各アプリでの作業支援が中心既製のエージェントに加え、自社用のエージェントを作れる
契約Google Workspaceのプランに含まれるGoogle Cloudで別途契約する

Google Workspaceの中で文書やメールの作業を速くしたい場合はWorkspaceのGeminiで足ります。複数のサービスにまたがる社内データを使って、業務の一部をエージェントに任せたい場合に、Gemini Enterpriseが候補になります。

関連記事:Workspace Intelligenceとは?Geminiとの関係・料金と権限制御を整理

名前の似たGoogleのサービスとの違い

Googleには名前の似たサービスが複数あります。Gemini Enterprise Agent Platformは、2026年4月にVertex AIから名前が変わった開発者向けの基盤で、モデルやエージェントを自分で開発する人向けです(出典: docs.cloud.google.com)。個人向けのGeminiアプリとも別のサービスで、Gemini Enterpriseは会社がライセンスを買って従業員に配る業務向けのサービスです。

AIエージェントの作り方

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Gemini Enterpriseの料金とエディションの種類

Gemini Enterpriseには、規模や管理の要件に合わせた複数のエディションがあります。Googleの製品ページに掲載されている目安の料金は次のとおりです(2026年10月時点、出典: cloud.google.com)。

エディション料金の目安対象と主な特徴
Business1ライセンスあたり月額21ドルから小規模な企業やチーム向け。最大300人、IT部門による設定は不要
Standard / Plus1ライセンスあたり月額30ドルから本格的なIT管理が必要な組織向け。利用上限の引き上げ、シート数の上限なし、高度なセキュリティ
Pay-as-you-goシート料金0ドル、使った分だけ支払い20シート以上の組織向け。現在は一部の顧客に限定して提供
Frontline販売担当に問い合わせ現場スタッフ向け。Standard / Plusの追加購入として提供

料金は米ドル建ての目安で、実際の金額は契約の条件によって変わります。BusinessとStandard / Plusには、30日間の無料トライアルが用意されています(2026年10月時点)。

Businessエディション

Businessは、IT部門の設定なしで使い始められるエディションです。社内データへの接続、ノーコードのエージェント作成、既製のエージェントなど、Gemini Enterpriseの基本的な機能を使えます。1シートあたり25GiBのストレージとデータのインデックスが共有の枠として付きます(出典: cloud.google.com)。

Standard / Plusエディション

Standard / Plusは、Businessの機能に加えて、利用上限の引き上げ、他社製や自社開発のエージェントの導入、VPC-SC(データの持ち出しを防ぐ仕組み)や顧客管理の暗号鍵などの高度なセキュリティを備えます。データの保存場所を指定する要件にも対応しており、規制の厳しい業界の企業はこちらが前提になります。

開発者向けのGoogle AntigravityやAndroid Studioとの連携も、一部の顧客から段階的に提供されています(出典: cloud.google.com)。

関連記事:Antigravityとは?Googleのエージェント型開発ツールの機能・料金・使い方

Gemini Enterpriseの導入方法|30日間のトライアルから始める

導入の進め方の図解。ステップ1 エディションを決める、ステップ2 トライアルを始める、ステップ3 データを絞ってつなぐ、ステップ4 効果を数字で測る

Gemini Enterpriseは、無料のトライアルで操作感を確かめてから本契約に進めます。次の4つのステップで進めると、導入後に使われなくなる事態を防げます。

ステップ1|エディションを決める

利用する人数と、求めるセキュリティの水準でエディションを選びます。300人までで、高度なデータ管理の要件がなければBusiness、それ以外はStandard / Plusが候補です。

ステップ2|30日間のトライアルを始める

Googleの製品ページから、選んだエディションのトライアルを申し込みます。Businessは設定作業なしで始められ、Standard / PlusはGoogle Cloudの販売担当に相談しながら進めることもできます。

ステップ3|使うデータをつなぐ

トライアルでは、まず対象の業務で使うデータだけをつなぎます。最初から全社のデータをつなぐと、権限の確認に時間がかかり、検証が進みません。たとえば社内規程の問い合わせ対応を試すなら、規程や手順書を置いている共有フォルダだけをつなぎます。つないだ先の閲覧権限が、実際に使う人の範囲と合っているかもこの段階で確かめておきます。

ステップ4|選んだ業務で効果を確かめる

社内の規程の問い合わせ対応や、会議資料の下書きなど、1つの業務を選んで効果を測ります。トライアルの期間内に、時間がどれだけ減ったかを数字で確かめておくと、本契約の判断がしやすくなります。あわせて、回答に誤りがあった件数や、参照できなかった資料の種類も記録しておくと、本契約の前に直すべき権限設定やデータの整理が見えてきます。

Gemini Enterpriseのセキュリティとデータの扱い

データを守る仕組みの図解。社内のデータ、学習に使わない、販売や広告に使わない、不正な指示を検知、権限の見直し、仕組みに任せる部分と、自社で整える部分を分けて考える

企業で導入するときに最も気になるのは、社内のデータがどう扱われるかです。Googleの製品ページでは、Business・Standard・Plusの各エディションについて、データの所有者は顧客であり、プロンプトや出力などのデータがGoogleや他の顧客のモデルの学習に使われることはないと説明されています(出典: cloud.google.com)。

不正な依頼から守る仕組み

あわせて、Googleが顧客のデータを第三者に販売したり、広告に使ったりすることもないとされています。さらに、有害な依頼や、AIへの指示をすり替える攻撃(プロンプトインジェクション)を検知する仕組みとして、Model Armorが組み込まれています。

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導入前に権限を見直す

ただし、AIが社内のデータにアクセスできる範囲は、つないだサービスの権限設定に左右されます。見せてはいけない資料が誰でも閲覧できる設定のままになっていると、AIの回答を通じて目に触れる可能性があります。導入の前に、共有ドライブやSharePointの権限を見直しておくことが欠かせません。

関連記事:Geminiで情報漏洩は起きる?会社利用の4つのリスクと7つの対策

AIエージェント導入で陥りがちな3つの落とし穴

Gemini Enterpriseのような基盤を契約しても、進め方を誤ると現場で使われないまま終わります。導入でつまずきやすい点を3つ挙げます。

落とし穴1|全社のデータを一度につなごうとする

最初から全社のデータをつなぐと、権限の整理だけで数か月かかり、効果を確かめる前に担当者が疲弊します。対象の業務を絞らずに広げる進め方は避けたいところです。権限の整理は、対象の業務で使うフォルダに絞って始めると、短い期間で効果の確認まで進められます。

落とし穴2|全社のAI戦略づくりで手が止まる

どの部門で何を任せるかを全社で決めようとすると、議論が長引いて試す段階に進めません。トライアルの30日間は、戦略を決めるより実際に使ってみる期間として使うほうが成果につながります。

落とし穴3|チャットで質問するだけで終わる

Gemini Enterpriseをチャットの質問窓口としてだけ使うと、従業員が都度指示を出す手間は変わりません。業務の手順をエージェントに組み込まなければ、作業時間そのものは減りません。

スモールスタートで1業務をAIエージェントに任せる

まずは件数が多く手順の決まった1業務を選び、AIエージェントに任せるところから始めるのが確実です。その1業務で効果を数字で示せれば、次の部門への展開も進めやすくなります。GiftXでは、こうしたスモールスタート前提のAIエージェント構築を1業務単位から伴走支援しています。詳細はAIエージェント構築支援サービスをご覧ください。

Gemini Enterpriseに関するよくある質問

Gemini Enterpriseの料金はいくらですか?

Googleの製品ページでは、Businessが1ライセンスあたり月額21ドルから、Standard / Plusが月額30ドルからと案内されています。使った分だけ払うPay-as-you-goもあります(2026年10月時点、出典: cloud.google.com)。

無料で試せますか?

BusinessとStandard / Plusに、30日間の無料トライアルが用意されています。

Google Workspaceを契約していれば使えますか?

Google Workspaceのプランには、GmailやドキュメントでGeminiを使える機能が含まれていますが、Gemini EnterpriseはGoogle Cloudで別途契約するサービスです。Workspaceの契約だけでは、Gemini Enterpriseは使えません。

Microsoft 365を使っている会社でも使えますか?

使えます。Gemini EnterpriseはOneDriveやSharePointなどMicrosoft 365のデータにもつなげられ、Microsoft 365の形式で資料を作成することもできます。

入力したデータはAIの学習に使われますか?

Business・Standard・Plusの各エディションでは、プロンプトや出力などのデータがGoogleや他の顧客のモデルの学習に使われることはないと説明されています。

まとめ|Gemini Enterpriseは1業務のトライアルから始める

Gemini Enterpriseは、社内のデータにつないだ検索や資料作成、ノーコードでのエージェント作りを1つの画面で扱える、Google Cloudの企業向けサービスです。料金は1ライセンスあたり月額21ドルから(2026年10月時点、出典: cloud.google.com)で、規模と管理の要件に合わせてBusinessとStandard / Plusを選びます。Google WorkspaceのGeminiとの違いは、Microsoft 365や他社のSaaSを含めて横断でき、自社用のエージェントを作れる点です。30日間のトライアルでは、全社展開を急がず、1つの業務で効果を確かめるところから始めてください。

AIエージェントの業務活用をご検討の方へ

本記事で紹介したGemini Enterpriseのような基盤を使い、自社の業務にAIエージェントを組み込みたいとお考えの方は、ぜひGiftX AIエージェント構築支援までお問い合わせください。

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石塚 悠悟
AIエキスパート

GiftX共同代表。デロイト トーマツ/PwCでのコンサルティングを経て、ホットリンク執行役員として事業領域全体(デジタルマーケティング支援事業・SaaSプロダクト事業)・バックオフィス領域を統括。AI活用・業務自動化・エージェント構築の実務に注力。

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