ChatGPT Workとは?できること・料金・競合との違いを整理

ChatGPT Workとは?できること・料金・競合との違いを整理
目次

OpenAIが新たに発表した「ChatGPT Work」という名前を目にして、従来のChatGPTと何が違うのか、自社の業務にどこまで使えるのかを整理したいと考えている方は多いのではないでしょうか。料金やセキュリティ、他社のAIエージェントとの違いまで含めて把握しないと、導入すべきか判断がつきにくいテーマです。

本記事では、ChatGPT Workの概要・仕組み・できること・料金・競合比較・国内事例・セキュリティを、公式発表や報道をもとに整理します。読み終えたときに、自社で試すべき最初の1業務が見えてくる状態を目指します。

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ChatGPT Workとは?OpenAIが発表した業務特化のAIエージェント

ChatGPT Workが、質問に答える従来のAIから、成果物を自分で仕上げる業務エージェントへと役割を広げたことを、対比で一目で理解できるようにする。

ChatGPT Workとは、OpenAIが2026年7月9日に発表した、ChatGPT内で動作する業務特化のAIエージェント(人が細かく指示しなくても、複数の作業を自分で進めるAI)です。質問に答える対話AIから、成果物そのものを仕上げるAIへと役割を広げた製品と位置づけられます。

従来のChatGPTが「質問に答える」ことを中心にしていたのに対し、ChatGPT Workは「成果物を受け取ることを起点に、複数のアプリやワークフローから情報を集め、会話ではなく完成物を生成する」点に特徴があります。スプレッドシートやスライド、ドキュメント、Webアプリといった実際の作りものまで到達するのが大きな違いです。

提供元は、対話型生成AIのChatGPTを運営するOpenAIです。ChatGPTは2022年11月に公開され、2026年2月時点で週間アクティブユーザーが9億人に達したと報告されています。ChatGPT Workは、この巨大な利用基盤の上に「企業の業務そのものを担う層」を重ねる製品といえます。

個人利用からチームの業務への広がり

言い換えると、これまで個人が便利に使ってきたChatGPTを、チームや組織の業務プロセスに組み込む方向へ広げたものと捉えると理解しやすくなります。これまでは一人ひとりが好きに使うツールでしたが、ChatGPT Workは管理者が利用範囲を統制しながらチーム全体で使う前提に立っています。個人の生産性向上から、組織としての業務の作り替えへと目的が移っている点が大きな変化です。

なぜ今ChatGPT Workが注目されるのか

背景には、AIエージェントを巡る競争の激化があります。ChatGPT Workの発表は、Anthropicの「Claude Cowork」のリリースに続く動きであり、Microsoftも「Copilot Cowork」で対抗するなど、自律的に業務を進めるワークプレイスエージェントの投入が相次いでいます。2026年は、こうしたエージェント型AIが本格的に広がる年になりつつあります。

提供形態はクラウドサービスで、Web・モバイル・デスクトップの各環境で動作します。まず2026年7月9日にWeb・モバイルでPro・Enterprise・Eduの利用者向けに提供が始まり、その後数日以内にPlus・Businessの利用者へ広がるとされました。

ChatGPT Workの仕組み|GPT-5.6とCodex技術で成果物を作る

ChatGPT Workは、OpenAIの最新モデル「GPT-5.6」で動きます。GPT-5.6は、複数の段階に分かれたタスクを推論しながら、テンプレートや参照ファイルに沿って成果物を作る能力を高めたモデルとされます。読者にとって重要なのは、単発の回答ではなく「数時間にわたって作業を自分で進める」点です。

関連記事:Codexとは?OpenAIコーディングAIの仕組みやChatGPTとの違い、導入の落とし穴を解説

GPT-5.6の3つのモデル

GPT-5.6は、用途の異なる3つのモデルとして同時に登場しました。位置づけは以下のとおりです。

  • Sol:最も強力なフラッグシップ。コーディングやセキュリティ分野で高い結果を主張する
  • Luna:速度を最適化したモデル。応答の速さを重視する用途向け
  • Terra:日常業務向けにバランスを取ったモデル。前世代より安価とされる

無料およびGoの利用者はTerraを、上位プランの利用者はSolを利用できるとされました。長時間動き続けるエージェントの運用コストを意識し、トークン効率の改善も図られています。こうしたモデルの使い分けにより、軽い作業から重い作業までを1つの製品でまかなえる構成になっています。

Codex技術の内蔵とデータの流れ

技術面で重要なのが「Codex技術の内蔵」です。ChatGPT WorkにはOpenAIのコーディング用エージェントCodexの技術が組み込まれており、文章を返すだけでなく、Webアプリのような実行できる成果物まで作り込めるようになっています。これまで別アプリだったCodexは、Mac・Windows向けの単一デスクトップアプリへ統合され、旧来のChatGPTデスクトップは「ChatGPT Classic」と呼ばれるようになりました。

データの流れは「接続したアプリやファイルから前提情報を集める → GPT-5.6が複数の段階に分解して推論・実行する → 完成した成果物を出力する」というものです。複雑なプロジェクトを小さな段階に分け、数時間かけて自律的に進められる点が、単発の応答を返す従来のチャットとの決定的な違いになります。

ChatGPT Workでできること|4種類の成果物とアプリ連携・自律実行

ChatGPT Workでできることを「成果物の生成」「アプリ連携」「自律実行」の3つの柱として整理し、全体像を掴めるようにする。

ChatGPT Workでできることは、大きく「成果物の生成」「アプリ連携」「自律実行」の3つに整理できます。順に見ていきます。

4種類の成果物を生成する

まず成果物の生成では、スプレッドシート・スライド・ドキュメント・インタラクティブなWebアプリの4種類を作れる点が公式に強調されています。

たとえば、集めたデータを整えた集計シートや、要点をまとめた報告書、社内共有用のスライドまでを、前提情報を踏まえて指示に沿って仕上げるイメージです。リサーチ結果を人が資料に起こす手間を省ける点が、従来のチャットとの実務上の差になります。

Webアプリの生成は「Sites」という機能(パブリックベータ)を通じて行われ、URLで共有できるダッシュボードやプロジェクト管理画面、社内向けの一覧ページなどを作成できます。文章生成の枠を超えて、社内で使う簡易ツールそのものを短時間で組み上げる方向への拡張といえます。専用のツールを開発する体力がないチームでも、共有できる簡易な画面を手早く用意できるようになります。

業務ツールとのアプリ連携

次にアプリ連携です。ChatGPT Workを使い始めるには、業務が実際に行われている場所をつなぎます。SlackやMicrosoft Teams、Google DriveやSharePoint、メール、カレンダー、CRM、プロジェクト管理ツールなどをコネクター(連携部品)で接続する形です。この前提情報の取り込みがあるからこそ、一般的な回答ではなく自社の文脈に沿った成果物を出せます。

スケジュールによる自律実行

3つ目が自律実行です。ChatGPT Workは、あらかじめ設定したスケジュールに沿って複数段階のタスクを自動で進め、バックグラウンドで文書を改善してチームに配布する、といった動きができます。通常のチャット画面からモードを切り替えることで、数分から数時間かかるゴールをAIに委ねる使い方もできます。

たとえば、毎朝の定例会議に向けた資料の下ごしらえや、定期的に更新するレポートの叩き台づくりを、あらかじめ登録しておいて自動で走らせる運用が想定されます。人が張り付いて指示を出し続けなくても、決まった作業を任せられる点が特徴です。

音声でWorkのタスクを進行・調整できるようになった(2026年7月)

2026年7月23日(米国時間)、OpenAIはデスクトップアプリ(macOS / Windows)に「ChatGPT Voice」を搭載しました。全二重音声モデルのGPT-Liveを土台にした機能で、Chat・Work・Codex上のタスクを音声で進行・調整できます(出典: learn.chatgpt.com、ビルド26.715)。ChatGPT Workの文脈でいえば、進捗の確認や方向の修正のためにキーボードへ戻る回数を減らせる、という変化です。

使い方は「音声モードで始める」のが前提

新しいチャットまたはタスクを音声モードで開始し、「今動いているタスクの状況をまとめて」「この方針で進めて」のように話しかけます。するとChatGPT Voiceが時間のかかる作業を別スレッドとして立ち上げ、既存スレッドの状況を確認し、追加の指示を送ります。進捗・詰まっている点・結果は音声の会話に戻ってくるため、複数の作業を並行させたまま声で捌けます。

注意したいのは、音声モードで開始したチャット・タスクにしか使えない点です。別のモードで始めた会話は、後から音声チャットに切り替えられず、話した内容を文字に起こす音声入力(ディクテーション)の扱いになります。

対象プランと運用上の制約

対象はPlus・Pro・Business・Edu・Enterpriseの各プランで、2026年7月23日からグローバルに展開されています。ただしEnterpriseとEduは、既定で有効になる前に2週間の早期アクセス期間が置かれます。導入時期を見込む場合は、この差を織り込んでおくと計画がずれにくくなります。

業務で使う前に押さえておきたい制約は次のとおりです(出典: learn.chatgpt.com)。

  • 権限の範囲:ChatGPT Voiceが動かせる範囲は、Chat・Work・Codexの各タスクに設定された権限と同じ。音声で指示したからといって、できることが広がるわけではない
  • 同時利用の制限:デスクトップアプリ全体で、同時に開ける音声チャットは1件のみ
  • 利用枠の数え方:音声会話にはプランごとの枠が5時間のローリングウィンドウで設定される。加えて、音声から起動したタスクはCodexの利用枠を消費する

なお、macOSでは設定でScreen contextを有効にすると、「Take a look at this」と話しかけるだけで最前面のウィンドウを画像として渡せます。スマートフォンからは、デスクトップ端末とペアリングしたiOSのRemote経由でも、ChatGPT Voiceを利用できます。

関連記事:ChatGPTのボイスモードとは?デスクトップでできること・使い方を整理

従来のChatGPTとの違い

ここまでの内容を踏まえ、従来のChatGPTとChatGPT Workの違いを整理します。両者は同じChatGPTという名前を共有しますが、担う役割と成果物の形が異なります。下表は、動作の起点・出力・作業時間・想定用途の4つの観点で比べたものです。

観点従来のChatGPTChatGPT Work
動作の起点質問に答える成果物を仕上げることを起点にする
主な出力会話・テキストスプレッドシート・スライド・文書・Webアプリ
作業のまとまり単発の応答複数段階を数時間かけて自律実行
想定用途相談・調べ物・下書き業務の一部をまるごと任せる

表のとおり、従来のChatGPTが「相談相手」だとすれば、ChatGPT Workは「作業を代行する担い手」に近い存在です。たとえば調べ物を質問して自分で資料化していた作業を、前提情報の収集から成果物のドラフト作成まで任せられるようになります。

ChatGPT Workの料金プラン|BusinessとEnterprise

ChatGPT Workの法人向けの中心は、BusinessとEnterpriseの2プランです。料金は改定が頻繁なため、必ず時点を確認したうえで検討することをおすすめします。下表は、公式ヘルプセンターと各種報道をもとにした目安です(2026年7月時点、出典: openai.com)。

プラン月額の目安(1ユーザー)最小シート備考
Business年間契約20ドル / 月次契約25ドル2シートセルフサーブで開始できる
Enterprise約60ドル(45〜75ドル・交渉制)約150シート年間前払い、年間下限 約10.8万ドル
Plus(個人・参考)20ドル1個人向けプラン
Pro(個人・参考)200ドル1個人向けプラン

Businessは月20〜25ドルで小規模から始められる一方、Enterpriseは非公開の交渉制で、最小シート数と年間前払いが前提です。比較記事によってはBusinessを年25ドル・月30ドルと記載するものもあり、参照する情報源によって数字に幅がある点には注意が必要です。5,000シートを超える大型契約ではシートあたりの単価が下がるなど、規模による変動も報じられています。

加えて、ChatGPT WorkやWorkspace Agentsの高度な機能は、使った量に応じて費用が積み上がる従量課金の構造になっている点も押さえておきたいところです。想定する利用量でコストを試算しておくと、導入後の予算管理がしやすくなります。

ChatGPT Workと主要AIエージェントの比較(Microsoft Copilot・Google Gemini・Claude)

法人向けAIエージェントの主戦場は、ChatGPT(OpenAI)・Microsoft Copilot・Google Gemini・Claude(Anthropic)の4つに集約されつつあります。それぞれ得意分野が異なるため、自社が既に使っているツール群との相性を軸に選ぶのが現実的です。下表は、提供元・強み・月額の目安・市場シェアの4観点で主要製品を整理したものです(2026年7月時点、月額とシェアの出典: intuitionlabs.com)。

製品提供元強み月額の目安(1ユーザー)市場シェア
ChatGPT Enterprise / WorkOpenAI創造性・推論、現場での支持、既存ツールの上に乗せやすい25〜60ドル(カスタム)61%
Microsoft 365 CopilotMicrosoftOffice製品との統合・業務ワークフロー66〜87ドル14.1%
Google Gemini EnterpriseGoogle100万トークン超の長い文脈・多言語での調査48〜60ドル13.4%
Claude CoworkAnthropic文書作成・データ分析向けのプラグイン非公開参考値なし

比較記事の結論は「AIアシスタントの選定は、本質的には自社が使う製品群との相性で決まる」というものです。モデルの性能差よりも、既に依存しているツールに合わせて選ぶほうが合理的とされます。たとえばOffice中心の環境ならCopilotが馴染みやすく、既存ツールの外側から幅広くつなぎたい場合はChatGPT Workが選択肢に入ります。実務では、部門ごとに最適なAIを配る使い分けが取られるケースも少なくありません。

関連記事:Claude Coworkとは?できることとClaude Codeとの違いを5つの観点で整理

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ChatGPT Workの活用シーンと国内企業のAI活用事例

ChatGPT Workが得意とするのは、前提情報を集めて成果物を仕上げる一連の作業です。実際の活用例として、リード選別の1件あたりの所要時間が短縮された、競合分析が数週間から数時間に圧縮された、部門をまたぐ調査が数千人規模に展開された、といった報告があります。

関連記事:企業の生成AI活用事例15選|業務別・業界別の成功例と主要ツール・導入ステップ

国内企業でも全社導入が進む

国内でも、ChatGPTの全社導入は業種を問わず広がっています。製造業のパナソニック コネクトは、プログラミングや手順書作成、資料レビューへの活用で年間44.8万時間の削減を報告しています(前年比2.4倍)。金融の三菱UFJ銀行は、稟議書や社内文書、提案書の作成に社内向けChatGPTを活用し、2025年11月にはOpenAIとの連携を発表して約3万5千人の全行員へ順次展開する予定とされています。

利用の広がりはIT・通信・小売にも及びます。ソフトバンクは2025年に全社員へAIエージェントを提供し、2.5か月で250万を超えるAIエージェントが作られたと報告しています。楽天グループは自社のAI環境でAI利用率85%・週平均4.9時間の削減を、横須賀市は全庁での実証で職員の約8割が効率向上を実感したとしています。共通するのは、いきなり全業務を置き換えるのではなく、身近な業務からAIを取り入れている点です。

1業務から始めるAIエージェント活用の実例

AIエージェントを1業務から導入した例として、GiftXの支援先の取り組みを紹介します。ある企業では、商談用の提案資料づくりを最初の1業務としてAIエージェントに任せました。商談メモと相手企業のWebサイトから、各社に合わせた提案スライドを自動で組み立てる仕組みです。

導入前は1つの提案資料の制作に約2時間かかっていましたが、導入後は約10分に短縮され、工数はおよそ87%削減されました。準備にかかる時間が縮まったことで、資料づくりそのものより、相手への提案内容を練る時間に振り向けられるようになっています。

この取り組みで押さえておきたいのは、進め方です。最初から全社の業務を変えようとせず、成果が見えやすい1業務に絞って始めています。1つの業務でAIエージェントの精度と運用の勘所をつかんでから、隣接する業務へ少しずつ広げていく流れです。最初の1業務で「AIに任せられる範囲」と「人が確認すべき範囲」の線引きが具体的に見えてくるため、次の展開の判断もしやすくなります。

ChatGPT Work導入のBefore/Afterで見る業務インパクト

情報収集と調査を行う定例業務を例に、AIエージェント化による作業時間の短縮(Before→After)を数値で示す。

数値で業務の変化を見ると、AIエージェント化の効果が掴みやすくなります。ここでは、四半期ごとに情報収集と調査を行う担当者のケースを例に取ります。実在の企業名には紐付かない、一般的なイメージとして捉えてください。

導入前は、複数の情報源を手作業で横断して調べ、資料に手でまとめており、1回あたり約20時間(数日分の作業量)を要していました。導入後は、AIエージェントが情報源を横断して集め、要約とスライドのドラフトまで生成し、担当者は確認と調整に集中します。1回あたりの作業は約4時間まで縮まり、削減率はおよそ80%、四半期ごとに約2日分の工数を取り戻せる計算です。

重要なのは、削減できた時間の使い道です。単に時間が浮くだけでなく、情報を集める作業から、その情報をどう判断に活かすかという中身の検討へ時間を振り向けられます。こうした一業務単位の積み上げが、無理のない範囲での継続的な業務改善につながります。まずは1回あたりの工数が大きい定例業務を1つ選ぶと、効果を実感しやすくなります。

ChatGPT Work導入前に確認したいチェックリスト

ChatGPT Workは強力な一方で、導入前に確認しておきたい点があります。特に、料金・要件・出力の3つは事前の見極めが欠かせません。以下のチェックリストで、自社の状況と照らし合わせてみてください。

  • 料金の予測:従量課金のため、長時間・多機能なタスクほど費用が積み上がる。想定する利用量でコストを試算できているか
  • プランの要件:SSOや監査ログなどのガバナンス機能はEnterpriseに集中する。自社の要件がBusinessで足りるか
  • 出力の検証:AIは事実と異なる内容をもっともらしく生成すること(ハルシネーション)がある。成果物を人が確認する運用になっているか
  • 連携の範囲:既存の社内システムがコネクターに対応しているか。つなげない業務はどこかを事前に把握できているか
  • 最初の1業務:全社展開ではなく、成果が見えやすい業務から小さく始める設計になっているか

これらは、導入してから慌てないための最低限の確認事項です。特に従量課金と出力の検証は、運用が始まってからコストや品質の問題として表面化しやすいため、着手前に押さえておくと安心です。

関連記事:AI導入にかかる費用の相場は?3つのパターンと主要ツール料金を整理

ChatGPT Workのセキュリティ・コンプライアンスで押さえるべき点

自社での導入を判断するうえで、セキュリティとコンプライアンス(法令・規範の順守)は避けて通れません。ChatGPT Workは、ChatGPT Enterpriseのセキュリティ基盤の上に構築されており、管理者が「誰がエージェントを使えるか」「どの情報やツールに接続できるか」「どの操作を実行できるか」を中央で管理できる設計です。

関連記事:生成AIで気をつけるセキュリティとは?主要リスクと企業がとるべき対策を解説

プランによって異なるセキュリティ機能

入力したデータについては、BusinessとEnterpriseのいずれも学習に使われないことが契約上除外されています。ただしプラン間の差は小さくありません。SSO(1度の認証で複数サービスを使う仕組み)や細かい権限管理、監査ログはEnterpriseのみで提供され、データの保存地域もEnterpriseのほうが選択肢が広くなります。SOC 2 Type IIやISO/IEC 27001などの認証、医療分野で求められる契約もEnterprise側で用意されるとされています。

エージェントが自律的に社内システムへアクセスして操作する以上、コネクターの権限を必要な範囲に絞り、アクセスできる範囲を制限する設計は、導入前に必ず決めておきたい論点です。誰に何を任せるかを最初に線引きしておくことで、想定外の操作を防ぎやすくなります。

ChatGPT Workのような業務エージェントを使い始めるときに陥りがちな3つの落とし穴

ChatGPT Workのような業務エージェントは強力ですが、使い始めの進め方を誤ると成果につながりません。よく見られる3つの落とし穴を挙げます。

落とし穴1:いきなり全ての業務を任せようとする

最初から多くの業務を一気に置き換えようとすると、設計も検証も追いつかず頓挫しがちです。まずは1つの業務に絞るほうが立ち上がりは早くなります。

落とし穴2:壮大なAI活用構想から考え始めて手が止まる

全社の理想像から描き始めると、検討が長引いて着手できません。小さく試して学びを得るほうが、結果的に前に進みます。

落とし穴3:既製のチャット型AIのままでは業務フローに組み込めない

汎用のチャット型AIをそのまま使うだけでは、自社の手順や品質基準に合わせづらく、日々の業務フローに組み込めるレベルには届きにくいのが実情です。

スモールスタートで1業務をAIエージェントに任せる

これらを避ける結論はシンプルで、スモールスタートで1業務をAIエージェントに任せ、自動化・効率化することです。この方向性は調査データからも裏付けられます。生成AIを使う人の多くは、都度チャットで質問する段階や、その都度成果物を作らせる段階にとどまっており、こうしたチャット止まりは全体の約7割(70.3%)を占めます。一方で、AIエージェントが複数工程を自動で進める段階に到達しているのは約1割(10.5%)にすぎません。

AI活用レベル内容生産性が「明確に上がった」割合
チャット止まり(L1・L2)都度チャットで質問・成果物作成14.3%
L3(学習・反復実行)情報を覚えさせ繰り返し実行19.4%
L4(エージェント化)複数工程を半自動〜自動で実行54.3%

注目したいのは、エージェント化の段階(L4)に到達した層では、生産性が「明確に上がった」と実感する割合が54.3%と、チャット止まり層の14.3%の約3.8倍に達する点です(全職種)。つまり、チャットで止まらず1業務でもエージェント化まで進めることが、成果実感の分かれ目になります。詳細な調査データは「ビジネス職生成AI活用実態調査(2026年版)」にてご覧ください。

GiftXでは、こうしたスモールスタート前提のAIエージェント構築を1業務単位から伴走支援しています。詳細はAIエージェント構築支援サービスをご覧ください。

よくある質問(FAQ)

最後に、ChatGPT Workに関してよく寄せられる質問を整理します。

ChatGPT Workはいつから使えますか?

2026年7月9日にWeb・モバイルでPro・Enterprise・Eduの利用者向けに提供が始まり、その後数日以内にPlus・Businessの利用者へ広がるとされました。デスクトップアプリもCodexを統合する形で刷新されています。

従来のChatGPTとの一番の違いは何ですか?

質問に答えるだけでなく、複数のアプリから前提情報を集め、スプレッドシートやスライド、Webアプリといった完成物まで自律的に仕上げる点です。相談相手というより、作業を代行する担い手に近い役割を持ちます。

料金はどのくらいかかりますか?

法人向けはBusinessが1ユーザーあたり月20〜25ドル程度、Enterpriseは非公開で交渉ベース(平均で月60ドル前後)とされます(2026年7月時点、出典: openai.com)。高度な機能は使った量に応じた従量課金が上乗せされるため、想定利用量での試算をおすすめします。

小さな会社でも使えますか?

Businessプランは最小2シートから始められるため、小規模でも試せます。まずは成果が見えやすい1業務に絞って導入し、効果を確かめてから広げる進め方が無理がありません。

音声でChatGPT Workを操作できますか?

できます。2026年7月23日(米国時間)にデスクトップアプリ(macOS / Windows)へ搭載されたChatGPT Voiceを使うと、Work上のタスクの開始・進捗確認・方向修正を音声で進められます。対象はPlus・Pro・Business・Edu・Enterpriseの各プランです。ただし音声モードで開始したチャット・タスクに限られ、途中から音声には切り替えられません。スマートフォンからは、デスクトップ端末とペアリングしたiOSのRemote経由でもChatGPT Voiceを使えます。

まとめ

ChatGPT Workは、質問に答えるAIから、成果物を自律的に仕上げるAIへと役割を広げた業務エージェントです。GPT-5.6とCodex技術を土台に、スプレッドシートやスライド、Webアプリまでを作り、業務ツールと連携しながら複数段階の作業を自動で進めます。2026年7月23日にはデスクトップアプリへChatGPT Voiceが搭載され、Work上のタスクを音声で進行・調整できるようになりました。料金は従量課金の要素を含み、セキュリティ機能はプランによって差があるため、事前の見極めが欠かせません。

そして最も大切なのは、いきなり全社で導入しようとせず、成果が見えやすい1業務からスモールスタートで自動化・効率化することです。調査でもチャット止まりが約7割を占める一方、エージェント化まで進んだ層で成果実感が大きく高まっています。小さく始めて走りながら改善する進め方が、ChatGPT Workを含むAIエージェント活用の近道になります。

AIエージェント活用の伴走支援をご検討の方へ

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朝山 高至
AIエキスパート

GiftXにてマーケティング・PdM・AI推進を担当。自社事業GIFTFULにて、AIエージェントを活用したマーケティング・営業業務の自動化を主導。

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