音声生成AIの種類一覧|TTS・音声クローン・歌声生成と選び方を整理

音声生成AIの種類一覧|TTS・音声クローン・歌声生成と選び方を整理
目次

音声生成AIを使ってみたいものの、ツールが乱立していて「自分の目的にはどれが合うのか」が分からず、種類の全体像から整理したいと感じている方は多いのではないでしょうか。

本記事では、音声生成AIを技術タイプ別に分類したうえで、国内外で実際に使われている主要ツールをカテゴリ別にできるだけ網羅的に洗い出します。用途別の選び方、料金体系、商用利用や声の権利の注意点まで、ツール選定の判断材料を一通りそろえます。

朝山 高至
AIエキスパート

GiftXにてマーケティング・PdM・AI推進を担当。自社事業GIFTFULにて、AIエージェントを活用したマーケティング・営業業務の自動化を主導。

音声生成AIとは?仕組みとできることを整理

音声生成AIの基本を、テキストや声から音声を作る仕組み・身近な読み上げ用途・学習による進化・市場の急拡大の4点で示した図

音声生成AIとは、人工知能を使ってテキストや既存の音声から、人間の声のような自然な音声を作り出す技術の総称です。

ひとことで「音声生成AI」と言っても、その中身は目的のまったく異なる複数の技術が混在しています。文章を読み上げるもの、自分や他人の声を再現するもの、歌やBGMを生み出すものなど、扱う素材と出力するものがそれぞれ違います。まずは全体像を押さえると、ツール選びの迷いがぐっと減ります。

関連記事:生成AIの種類とは?主要6カテゴリと代表サービスを一覧で解説

音声生成AIでできることと基本の仕組み

最も身近なのは、文章を入力すると話し声に変換する「テキスト読み上げ(TTS、Text-to-Speech、文字を音声に変換する技術)」です。近年は機械学習の進化によって、人間らしい抑揚や感情表現まで再現できるようになりました。

仕組みの面では、かつての録音素材をつなぐ方式から、ディープラーニングで波形を直接生成する「ニューラル型」へと主流が移っています。高品質なツールの多くは、2016年に登場したWaveNetや2017年以降のTacotronといったニューラル音声合成を基礎にしており、2023年以降は大規模言語モデル(LLM、大量の文章を学習して言葉を扱うAIモデル)を応用した新世代も登場しています。読者がツールを選ぶ際に内部の方式まで意識する必要はありませんが、「最近のものほど自然で、声の再現に必要な素材も少なくなっている」という流れだけ知っておくと役立ちます。

音声生成AIツールが急増している背景

ツールが乱立している背景には、市場の急拡大があります。AI音声生成市場は2025年に約41.6億ドル、2026年に約64億ドル、2031年には207億ドル(年平均成長率30.7%)に達するとの予測が示されています(出典: TechCreate)。

この急成長を背景に各社が次々と参入しているため、選択肢が一気に増えました。裏を返せば、種類を整理してから選ばないと、目的に合わないツールに時間を取られてしまいます。次の章で、まずは技術タイプの全体像を整理します。

音声生成AIの種類|技術タイプ別の4分類で全体像をつかむ

音声生成AIを入力と出力の違いでTTS・音声クローン・ボイスチェンジ・音楽歌声生成の4タイプに整理した図

音声生成AIは、「何を入力して何を出力するか」で大きく4つのタイプに分けて捉えると、ツール群の見通しがよくなります。下表は、代表的な4タイプを入力・出力・主な用途・代表ツールで整理したものです。自分の目的がどのタイプに当たるかを最初に見極めると、候補ツールが一気に絞り込めます。

タイプ入力 → 出力代表的な用途代表ツール例
①テキスト読み上げ(TTS)文章 → 話し声ナレーション、eラーニング、読み上げVOICEVOX / ElevenLabs / CoeFont
②音声クローン数秒〜数分の声 → その人の声でTTS自分の声の量産、吹き替えElevenLabs / RVC / VALL-E
③ボイスチェンジ自分の声 → 別人の声配信、ゲーム実況、キャラクターボイスVoicemod / RVC / 恋声
④音楽・歌声生成歌詞・プロンプト → 歌・楽曲楽曲制作、BGM、歌ってみたSuno / Udio / Soundraw

①と②は「テキストから声を作る」点で連続しており、多くのTTSサービスは音声クローン機能を内蔵しています。一方③は、すでにある声を別の声に変える「音声変換(Voice Conversion)」で、入力が声である点でTTSとは技術的な系統が異なります。④の音楽・歌声生成は、伴奏やメロディまで含めて生成する点で、読み上げとは別ジャンルとして扱うのが実態に即しています。

①テキスト読み上げ(TTS)型

入力した文章を話し声に変換する、最も層の厚いタイプです。動画ナレーション、教材、Webサイトの読み上げなど用途が広く、無料の国産ソフトから多言語対応のクラウドサービスまで選択肢が豊富です。

②音声クローン型

数秒から数分の音声サンプルから、その人の声でテキストを読み上げる技術です。MicrosoftのVALL-Eは3秒、OpenAIのVoice Engineは15秒程度の音声から声を再現できるとされ、クローンに必要な素材は年々短くなっています。自分の声を一度登録すれば量産できるため、ナレーションの吹き替えや多言語展開で使われます。

③ボイスチェンジ型(リアルタイム音声変換)

自分の声をリアルタイムで別の声に変換するタイプです。配信やゲーム実況、キャラクターになりきる用途で使われます。変換方式は、フィルター的に音を加工する従来型と、ディープラーニングで別人の声に変換するAI型に大別されます。

④音楽・歌声生成型

歌詞やプロンプト(AIへの指示文)から、ボーカルや伴奏まで含めた楽曲を生成するタイプです。楽曲制作やBGM、「歌ってみた」用途で使われ、近年は読み上げ系との境界も曖昧になりつつあります。

テキスト読み上げ(TTS)系の主要ツール一覧

最も層が厚いTTS系を、提供形態の違いで4グループに分けて整理します。同じ「文章を音声にする」機能でも、ブラウザで完結するクラウドサービス、開発組み込み用のAPI、ローカルで動くアプリ、自分で動かすオープンソースでは、運用コストや自由度がまったく異なります。

クラウドSaaS型(汎用・多言語・クリエイター向け)

ブラウザから手軽に使え、多言語や音声クローンを備えたサービス群です。動画ナレーションや教材制作で広く使われています。

ツール特徴料金の目安
ElevenLabs高品質・多言語、音声クローン対応。380以上のボイス・29言語、API提供無料 / Starter 月5ドル / Creator 月11ドル〜
SpeechifyPDFや画像からも読み上げ。200以上のボイス無料 / プレミアム 月29ドル
Murf.AI数秒でテキストを音声化、ナレーション向き要問い合わせ
Lovo.ai500以上のボイス・100以上の言語無料トライアル / Basic 月24ドル
Voice Space54言語、TTSとボイスチェンジ・翻訳を統合無料(月5000字)/ Basic 月4000円

ElevenLabsは自然さと多言語対応で評価が高く、APIで自社アプリに音声を組み込みたい場面にも向きます。Speechifyは読み上げ用途に特化し、利用者数を大きく伸ばしています。手軽さ重視なら、ブラウザだけで使えるCanva(125言語以上)も選択肢になります。

開発者向けクラウドAPI型(アプリ組み込み)

アプリやサービスに音声機能を組み込む開発者向けの、従量課金APIです。SSML(読み上げの速度・抑揚・間などを細かく制御するマークアップ言語)に対応し、発音を細かく調整できるのが強みです。料金は2026年6月時点の各社公式情報をもとにした目安で、最新の価格は各サービスの公式ページでご確認ください。

サービス提供元特徴料金の目安
Google Cloud Text-to-SpeechGoogleChirp 3 HD、300以上のボイス・50以上の言語100万文字あたり約4〜30ドル(出典: cloud.google.com)
Amazon PollyAmazon (AWS)AWS統合、長文対応100万文字あたり約4.8〜100ドル(出典: aws.amazon.com)
Microsoft Azure TTSMicrosoft600以上のニューラルボイス・140言語超100万文字あたり約15〜30ドル(出典: azure.microsoft.com)
OpenAI TTSOpenAIgpt-4o-mini-ttsでプロンプト制御100万文字あたり約15〜30ドル(出典: openai.com)

音質・調整機能の観点では「Azure TTS > Amazon Polly > Google Cloud TTS」の順で評価されることが多く、特にAzureは大きな無料枠と豊富なニューラルボイスが強みです。一方でGoogle Cloud TTSは国際音素記号の指定が必要で調整コストが高めという実務評価もあります(出典: ニューフィー技術ブログ)。既存のクラウド基盤に合わせて選ぶのが定石です。

日本語特化・国産型

日本語の自然さ、アクセント、キャラクターボイスで強みを持つ国産勢です。動画やナレーション、実況、配信で広く使われています。

ツール特徴料金の目安商用利用
VOICEVOX完全無料・オープンソース、30以上のキャラ、歌声合成も無料可(キャラ別にクレジット表記要)
CoeFont5,000種以上の音声、自分の声も再現無料(800字)/ Standard 月3,300円可(有料)
VOICEPEAK感情スライダー、買い切り型、ナレーション向き買い切り 約10,000〜29,800円
A.I.VOICE / AITalkDNN音声合成、関西弁・多話者、400種以上の実績月6万円〜(要問い合わせ)
音読さんブラウザ完結、多言語、シンプル操作無料(月1,000字)/ 月980円〜可(有料)
COEIROINK / AivisSpeech無料、感情表現や自然な抑揚が得意無料

VOICEVOXは日本発のオープンソースで、テキストを入力するだけでWAV出力でき、キャラクターごとのクレジット表記を守れば商用利用も可能です。CoeFontは5分程度の録音で自分の声をAI音声化できる点が独自の立ち位置です。法人向けには高度なエンジンを提供する「コエステーション」のように、企業導入実績の豊富なサービスもあります。

オープンソース・ローカル実行型

GPUを用意して自分で動かせば、無料かつ制限なく使え、データを外部に出さずに済むのがオープンソース勢の利点です。データを外に出せない、または大量生成でコストを抑えたい場合の有力な選択肢になります。

モデルライセンス特徴
Style-Bert-VITS2OSS日本語の感情・スタイル制御に強く、ローカル実行
Coqui XTTS v2MPL 2.0など17言語、約6秒の参照音声で話者を再現
ChatterboxMITブラインドテストでElevenLabsより好評との報告、23言語
Kokoro TTSApache-2.082Mパラメータ、CPUでもほぼリアルタイム動作
GPT-SoVITSMIT1分のfine-tuningで話者再現、歌声にも対応
PiperApache-2.0Raspberry Pi 4でも動く軽量設計

特にChatterboxはMITライセンスで、ブラインドテストで63.8%のリスナーが「ElevenLabsより好み」と回答したと報告され、5〜10秒の音声から声をクローンできるとされています(出典: nerdynav)。日本語用途ではStyle-Bert-VITS2やGPT-SoVITSが実装者コミュニティで広く検証されています。

音声クローン・ボイスチェンジ系の主要ツール一覧

「特定の声」を扱う領域です。技術的には、テキストを特定話者の声で読み上げる「音声クローン」と、入力した自分の声を別人の声にリアルタイム変換する「ボイスチェンジ(音声変換)」に分かれます。

音声クローン(特定話者の声でTTS)

数秒から数分の音声サンプルから、その人の声でテキストを読み上げる技術です。クローンに必要な素材は短くなっており、ナレーションの量産や多言語展開で使われます。

ツール・モデル種別特徴
ElevenLabsSaaS短いサンプルから高品質な声クローン、多言語ナレーション
CoeFontSaaS5分程度の録音で自分の声をAI音声化
VALL-E / VALL-E X研究モデル(Microsoft)3秒の音声から声を再現、感情・アクセントを維持
OpenAI Voice EngineAPI・研究15秒の音声から声を複製
Coqui XTTS v2 / GPT-SoVITSOSS数秒〜1分の音声でローカルにクローン

ボイスチェンジ(リアルタイム音声変換)

配信やゲーム実況、キャラクターになりきる用途で、自分の声を別の声に変える領域です。変換方式は、フィルター的に音を加工する従来型と、ディープラーニングで別人の声に変換するAI型に大別されます。

ツール方式料金遅延・特徴
Voicemodフィルタ+AI型無料 / 月580円〜150種以上のボイス、低遅延、サウンドボード機能
RVCAI型(OSS)完全無料自然な音質、カスタムモデル作成可、要GPU、80〜150ms
恋声従来型完全無料日本発、フォルマント調整、定番の老舗
Seiren VoiceAI型要問い合わせ高品質・低遅延、ナレーション向き
Roland VT-4ハードウェア約2万円遅延ほぼゼロの実機

RVC(Retrieval-based Voice Conversion)はオープンソースの代表格で、本人の声と誤解されるほど高精度とされます。仕組みとしては学習済みの話者特徴を検索して変換するため、学習範囲外の声はうまく変換できないという制約があります(出典: zenn.dev)。VTuber向けには、実機のRoland VT-4や、本人証明が必要なほど高性能なソフトも登場しています。

音楽・歌声生成系の主要ツール一覧

歌詞やプロンプトから、ボーカル・メロディ・伴奏まで含む楽曲を生成する領域です。用途に応じて使い分けると、狙った成果物に近づきやすくなります。

ツール特徴料金の目安日本語歌詞
Sunoプロンプトから歌詞付きで楽曲を一発生成月10ドル〜対応
Udioオーディオ品質に定評、音の分離・ミックスが高品質月10ドル〜一部
AIVAクラシック・映画音楽に強く、楽譜(MIDI)出力月15ドル〜ボーカルなし
Soundraw日本発、BGM・ロイヤリティフリー音楽に特化月19.99ドル〜日本発
Mubertエンドレス・ジェネレーティブ音楽の先駆け月14ドル〜一部
Boomy最も手軽、配信プラットフォームへ直接リリース無料〜一部

歌ものを手軽に作るならSuno、音質にこだわるならUdio、楽譜が必要ならAIVA、商用BGMならSoundrawというのが定番の使い分けです。Sunoは2026年公開のv5.5で、自分の声で歌うAI音楽生成が可能になったと報じられています(出典: うま・せの!!)。歌声合成にも対応するVOICEVOXやGPT-SoVITSの存在も含め、「読み上げ」「歌声」「クローン」を横断する製品が増えている点は、ツール選定時に意識しておくとよいでしょう。

用途・ユースケース別の選び方

動画ナレーション・多言語吹き替え・配信のボイスチェンジ・楽曲BGM制作の用途別に相性のよい音声生成AIタイプを対応づけた図

種類が分かったら、次は「何に使うか」から逆引きすると迷いません。代表的なユースケースごとに、相性のよいタイプを整理します。

関連記事:音声生成AIの選び方とおすすめ8選|日本語の自然さ・商用利用で比較

動画ナレーション・解説動画

日本語の自然さとコストが鍵です。完全無料で始めるならVOICEVOX、感情表現とクオリティを上げたいならVOICEPEAK(買い切り)やCoeFont、多言語ナレーションならElevenLabsが候補です。動画編集に統合したいなら、AI音声を内蔵したVrewのようなツールも便利で、テキストを修正するだけで音声を即座に更新できます。

多言語の吹き替え・ローカライズ

動画の音声を翻訳し、口の動きまで合わせたいならHeyGenが代表的です。ブラウザ完結で有料プランなら商用利用も可能ですが、生成物に使う画像・音声素材の権利には注意が必要とされています。

アプリ・サービスへの組み込み(開発)

自社サービスに音声を組み込むなら、安定性と運用ルールのあるクラウドAPIが向きます。総合力ならMicrosoft Azure TTS、AWS環境ならAmazon Polly、GCP環境ならGoogle Cloud TTSと、既存のクラウド基盤に合わせて選ぶのが定石です。

配信・ゲーム実況のボイスチェンジ

自分の声をキャラ声に変えたいならVoicemod(手軽)やRVC(高品質・要GPU)、日本語の細かい調整なら恋声が定番です。遅延を抑えたい場合はハードウェアのRoland VT-4も選択肢になります。

楽曲・BGM制作

歌ものならSuno、音質ならUdio、商用BGMならSoundrawと、前章の使い分けがそのまま当てはまります。配信に直接出したいならBoomyのような手軽なツールも便利です。

データを外に出さずローカル運用したい

機密性が高い、または大量生成でコストを抑えたい場合は、Style-Bert-VITS2やCoqui XTTSなどオープンソースをローカルで運用する選択肢があります。GPUなどの環境構築が必要な代わりに、利用時は無料で、データを外部に送らずに済みます(出典: nerdynav)。

選定の際は、①日本語の自然さ、②感情・抑揚の制御性、③多言語対応、④料金体系(買い切りか従量課金か)、⑤次章で述べる商用利用と権利の扱い、の5点を押さえておくと失敗しにくくなります。

料金・商用利用・声の権利の注意点

音声生成AIを実務で使う際に最も見落とされがちなのが、料金体系と声の権利です。

料金体系は大きく3パターン

料金は2026年6月時点で、おおむね次の3つに整理できます。無料(フリーミアム)はVOICEVOXや音読さんの無料枠など、月額サブスクはElevenLabs・CoeFont・Sunoなど、従量課金APIはGoogle Cloud TTS・Amazon Polly・Azureなど100万文字あたりの課金です。クラウドAPIは無料枠が大きく、Azureは月500万文字、Amazon Pollyは初年12ヶ月で月500万文字、Google Cloud TTSは月100万文字程度が無料とされており、小規模なら実質無料で運用できることもあります(出典: cloud.google.com)。

商用利用の可否はツールごとに違う

商用利用の可否はツールごとに異なります。無料ツールでも「無料プランは商用不可で有料プランのみ商用可」というケースが多く、VOICEVOXのようにキャラクター単位でクレジット表記などの要件があるものもあります。利用前に、必ず各ツールの利用規約を確認してください。

声の権利・なりすましの法的リスクと最新動向

他人の声の無断クローンは、法的・倫理的なリスクが大きい領域です。声優や著名人の声をAIで再現する行為について、米ニューヨーク州南部地区連邦地裁は2025年7月、AI音声ジェネレーターが声優の声を模倣しても、実際の録音の複製がない限り著作権侵害には当たらないとの判断を示しました。ただしこれは著作権上の整理であり、日本では著作権法の枠組みが異なるため、別の権利保護が問題になり得ると指摘されています。具体的には、声優の声をAIで模倣して無断で使う場合、不正競争防止法違反やパブリシティ権の侵害になり得るとの指摘があります(出典: 弁護士ドットコムニュース)。業界側の動きも活発で、国内では音声業界13団体が声の無断使用に反対し、AI製品での声の使用ルール化を求めています(出典: 日刊工業新聞)。声の持ち主の権利を守る「声優の権利保護」の仕組みづくりも進んでいます(出典: 日本経済新聞)。実務上の結論はシンプルで、クローンに使う声は「自分の声か、明確に許諾を得た声」に限り、商用利用では各ツールの規約と権利処理を必ず確認することです。

音声生成AIを業務で本格活用するときに陥りがちな3つの落とし穴

ここまで種類とツールを整理してきましたが、いざ業務に本格導入しようとすると、ツール選び以前のところでつまずくことがあります。よくある落とし穴を3つ挙げます。

落とし穴1:いきなり全ての音声業務をAIに置き換えようとする

最初から複数の業務をまとめてAI化しようとすると、検証も運用設計も追いつかず頓挫しがちです。まずは効果が見えやすい1つの業務に絞るのが堅実です。

落とし穴2:壮大なAI活用構想から考え始めて手が止まる

全体最適の構想を先に描こうとすると、検討ばかりが続いて着手できません。小さく試して手応えを確かめる方が、結果的に前に進みます。

落とし穴3:既製の汎用ツールだけでは業務フローに組み込みきれない

ブラウザで使う汎用ツールは手軽な一方、自社の業務フローやデータに合わせ込むには物足りない場面があります。本格運用では、既存の仕組みへの組み込みやカスタマイズが必要になることを見込んでおくと安全です。

スモールスタートで1業務から自動化するのがポイント

これらを避ける鍵は、壮大な計画から入らず、まず1つの業務をスモールスタートで自動化・効率化することです。たとえば「動画ナレーションだけ」「特定の読み上げ業務だけ」と範囲を絞れば、効果検証も運用定着も進めやすくなります。GiftXでは、こうしたスモールスタート前提のAIエージェント構築を1業務単位から伴走支援しています。詳細は AIエージェント構築支援サービス をご覧ください。

音声生成AIに関するよくある質問

最後に、音声生成AIについてよく寄せられる疑問をまとめます。

AIで声を生成するにはどうすればいいですか?

最も簡単なのは、ブラウザで使えるTTSツールに文章を入力する方法です。VOICEVOXや音読さんなら、テキストを貼り付けるだけで音声が生成できます。自分の声で生成したい場合は、ElevenLabsやCoeFontなど音声クローン対応ツールに数分の音声を登録します。

AIで生成した音声に著作権はありますか?

生成した音声そのものの権利はツールの規約によって扱いが異なります。注意が必要なのは、他人の声を無断でクローンするケースで、パブリシティ権や不正競争防止法の観点から問題になり得ると指摘されています。商用利用では、使う声の許諾とツールの利用規約を必ず確認してください。

無料の音声生成AIで商用利用できますか?

ツールによります。VOICEVOX(キャラ別のクレジット表記が条件)のように無料でも商用利用できるものがある一方、「無料プランは商用不可、有料プランのみ可」というツールも多くあります。利用前に各ツールの規約確認が欠かせません。

日本語が自然に読めるツールはどれですか?

日本語の自然さでは、国産のVOICEVOX・CoeFont・VOICEPEAK・AivisSpeechなどが定評があります。多言語と日本語を両立したい場合はElevenLabsも候補になります。用途や予算に応じて、無料ツールで試してから有料へ移行するのが現実的です。

まとめ

音声生成AIは、「テキスト読み上げ(TTS)」「音声クローン・ボイスチェンジ」「音楽・歌声生成」という技術タイプで整理すると、乱立するツールの全体像がつかめます。まずは自分の目的がどのタイプかを見極め、用途・日本語の自然さ・料金体系・商用利用と権利の扱いを確認したうえで、無料ツールで試してから選ぶのが堅実です。

そして、業務で本格的に活用するなら、壮大な構想から入らず、まず1つの業務をスモールスタートで自動化・効率化することがポイントです。小さく始めて手応えを確かめることが、AI活用を前に進める近道になります。

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