マイGPT(GPTs)とは|ChatGPTを自分仕様にカスタマイズできる機能
マイGPTとは、ChatGPT に指示文や参考資料を登録し、自分専用の AI アシスタントを作れる機能です。
OpenAI が提供する ChatGPT の一機能で、正式名称は「GPTs(ジーピーティーズ)」といいます。プログラミングの知識は不要で、画面上の設定だけで作成できるノーコード(コードを書かずに仕組みを作る方法)型の機能です。
マイGPTでできること
マイGPTには「役割」「口調」「参照してほしい資料」「出力の形式」をあらかじめ登録できます。たとえば「自社のテンプレートに沿って議事録を整形するアシスタント」や「社内用語を踏まえて文書の下書きを作るアシスタント」のように、目的特化型の ChatGPT を複数作り分けられます。一度設定すれば、次回からは依頼内容を貼るだけで、同じ品質の出力を再現しやすくなります。オリジナルのチャットボットを自分で持てる、と捉えると分かりやすいでしょう。
通常のChatGPTとの違い
マイGPTと通常の ChatGPT は、同じ AI モデルを使いながらも「前提を覚えているかどうか」が異なります。下表は、指示の入力・前提知識・出力の一貫性・向いている用途の 4 つの観点で両者を整理したものです。日常の調べ物には通常の ChatGPT、繰り返し発生する定型作業にはマイGPT、と使い分ける視点を持つと判断しやすくなります。
| 観点 | マイGPT | 通常のChatGPT |
|---|---|---|
| 指示の入力 | 事前登録済み。依頼内容を貼るだけ | 会話のたびに指示を入力する |
| 前提知識 | 登録したファイル・用語を参照できる | 会話内で説明した範囲のみ |
| 出力の一貫性 | 設定に沿って安定しやすい | 指示の書き方次第でばらつく |
| 向いている用途 | 繰り返し発生する定型作業 | 単発の調べ物・壁打ち |
たとえば週次で同じ形式のレポートを整形する作業なら、指示文を登録したマイGPTのほうが手早く、仕上がりも安定します。逆に一度きりの質問であれば、通常の ChatGPT で十分です。
関連記事:ChatGPTとは?何ができる?使い方・料金・注意点を初心者向けに解説
マイGPT・GPTs・カスタムGPTは同じもの?
いずれも同じ機能を指す呼び名です。OpenAI の公式名称は「GPTs」で、ChatGPT の画面メニューに「マイGPT」という表記があることから、日本では「マイGPT」の呼び方が広まりました。解説記事などでは「カスタムGPT」と書かれることもあります。名称が違っても指している機能は同一なので、情報収集の際は 3 つの呼び名を同じものとして読み替えて問題ありません。
なぜ今マイGPTが注目されるのか
AI を使う人が増えた一方で、活用の深さには差が出始めています。GiftX の「ビジネス職生成AI活用実態調査2026」では、AI 利用者の 70.3%(約 7 割)が、都度の質問や文章作成にとどまる「チャット止まり」の段階にあることが分かりました。さらに個人の課題として「毎回の指示・調整に手間がかかる(プロンプトが難しい)」を挙げた人は 26.5%に上ります(複数回答)。
マイGPTは、この「毎回指示する手間」を設定として保存し、繰り返し同じ品質で実行できる形に変える仕組みです。チャット止まりの状態から一歩進み、業務の型を AI に覚えさせていく入り口として位置づけられます。プロンプト(AI への指示文)を書く技術に自信がない方でも、一度よい指示文を作って登録してしまえば、チーム全員がその品質を再現できる点も見逃せません。
詳細な調査データは「ビジネス職生成AI活用実態調査(2026年版)」にてご覧ください。
マイGPTの仕組み|登録できる3つの要素
マイGPTの中身は、大きく 3 つの要素で構成されます。それぞれの役割を押さえておくと、精度の高いマイGPTを設計しやすくなります。
要素1: Instructions(指示文)
Instructions(インストラクションズ、AI への指示文)は、マイGPTの振る舞いを決める中核です。「あなたは〜を担当するアシスタントです」という役割、回答の手順、口調、やってはいけないことを文章で登録します。ここに書く内容の具体度が出力品質を大きく左右するため、後述の作り方ステップ 3 で例文を紹介します。
要素2: ナレッジ(参考ファイル)
ナレッジは、マイGPTに参照させる資料ファイルです。PDF・Word・テキストなどのファイルをアップロードすると、回答時にその内容を踏まえた出力が得られます。用語集、過去の成果物、業務手順書などを渡しておくと、一般論ではなく自社の文脈に沿った回答に近づきます。
要素3: 機能(Web検索・画像生成・コード実行)
マイGPTでは、Web 検索、画像生成、コード実行(データ分析)といった機能の有効・無効を選べます。さらに「アクション」と呼ばれる外部サービス連携を設定すると、外部の API(システム同士をつなぐ接続口)からデータを取得するような高度な使い方もできます。まずは Web 検索とデータ分析だけ有効にする、といった最小構成で始めるのが扱いやすい進め方です。
全国8,000人調査で、AI活用方法によって生産性向上に約3.8倍の差が生まれることが判明。
マイGPTの料金|無料でどこまで使えるか
マイGPTの料金は、「使う」と「作る」を分けて整理すると分かりやすくなります。OpenAI のヘルプセンターによると、公開されている GPT の利用はサインイン済みの全ユーザーが可能である一方、マイGPTの作成・編集には有料プランの契約が必要です(2026年7月時点、出典: openai.com)。下表は、無料プランと有料プランでできることの違いを整理したものです。
| できること | 無料プラン | 有料プラン(Plus など) |
|---|---|---|
| 公開されているGPTの利用 | できる | できる |
| マイGPTの新規作成・編集 | できない | できる |
| 作成したマイGPTの共有 | できない(作成自体が不可) | できる |
無料プランでも他の人が作った GPT を試せるため、まずは既存の GPT で使用感を確かめ、業務で常用できそうだと判断してから有料プランで自作に進む流れが無理のない進め方です。プランごとの最新の料金は、OpenAI の公式料金ページで確認してください。
マイGPTの作り方|5つのステップ
マイGPTは、有料プランにログインした状態であれば、最初の 1 体を 15 分ほどで作成できます。以下の 5 つのステップで進めます。
ステップ1: GPTエディタを開く
ChatGPT の画面メニューから「GPT」を選び、「作成する」をクリックすると GPT エディタが開きます。エディタには、対話しながら設定を進める「作成」タブと、項目を直接入力する「構成」タブがあります。設定内容を自分で把握しやすいのは「構成」タブなので、本記事では構成タブでの入力を前提に進めます。
ステップ2: 名前と説明を設定する
マイGPTの名前と説明文を入力します。名前は「議事録整形アシスタント」「問い合わせ文面ドラフター」のように、何をするものかが一目で分かる表現にします。チームで共有する可能性があるなら、他のメンバーが見ても用途を誤解しない名前にしておくと、後の管理が楽になります。アイコン画像は自動生成に任せて構いません。
ステップ3: Instructions(指示文)を書く
マイGPTの品質を決める最も大切な工程です。役割・手順・出力形式・禁止事項の 4 点を押さえて書きます。たとえば議事録整形なら、次のような構成が出発点になります。
- 役割: あなたは会議メモを議事録に整形するアシスタントです
- 手順: 入力されたメモから決定事項・宿題・期限を抽出し、テンプレートに沿って並べ替えます
- 出力形式: 見出し「決定事項」「宿題(担当者・期限)」「補足」の 3 部構成で出力します
- 禁止事項: メモにない内容を推測で補わないでください
このように箇条書きで明文化しておくと、出力のぶれが減ります。運用しながら「こう直してほしい」と感じた点を指示文に追記していくと、使うほど精度が上がっていきます。
関連記事:AIプロンプトとは?回答精度を高める書き方のコツと業務で使える例文集
ステップ4: ナレッジと機能を追加する
参照させたい資料があれば、ナレッジとしてファイルをアップロードします。用語集やテンプレートなど、回答の土台になるものから登録するのがおすすめです。あわせて、Web 検索・画像生成・コード実行のうち必要な機能だけを有効にします。用途に関係ない機能はオフにしたほうが、意図しない動きを防げます。
ステップ5: 動作確認して公開範囲を選ぶ
画面右側のプレビューで実際の依頼を投げ、想定どおりの出力になるかを確認します。問題がなければ保存し、公開範囲を「自分だけ」「リンクを知っている人」「GPT ストアに公開」から選びます。業務情報を含む場合は、まず「自分だけ」で運用を始め、共有の必要が出た段階で範囲を広げる順序が安全です。
マイGPTの業務活用事例
マイGPTを業務効率化に役立てている代表的な使い方を 3 つ紹介します。いずれも「繰り返し発生する定型作業」を型にする、という共通点があります。
定型文書のドラフト作成を型にする
週報、議事録、案内文といった定型文書の作成は、マイGPTと相性のよい業務です。文書のテンプレートと過去のサンプルをナレッジに登録し、「メモを貼れば所定の形式に整形する」マイGPTを作っておくと、書き手による品質のばらつきが減ります。ゼロから書くのではなく「AI のドラフトを直す」働き方に変わるため、作成時間の短縮にもつながります。
問い合わせ対応の一次回答を支援する
よくある質問と回答集、対応マニュアルをナレッジに登録すると、問い合わせ文面への返信ドラフトを作るマイGPTになります。担当者は生成された下書きを確認し、事実関係を直してから送信するだけで済みます。回答品質を担保するため、「マニュアルにない質問には推測で答えず、その旨を明記する」と Instructions に書いておくことがコツです。
社内のプロンプト共有をマイGPT化する
たとえば、メンバーそれぞれが個人メモでプロンプトを管理しているチームが、よく使う指示文をマイGPTに集約するケースが考えられます。個人のノウハウが設定として共有されるため、誰が実行しても同じ品質になり、新しいメンバーの立ち上がりも早くなります。GiftX でも、業務で使うプロンプトや定型フローを整備して誰でも同じ品質で実行できる形にチームで共有する取り組みを行っており、こうしたナレッジの資産化は品質の個人差の解消につながっています。
Before/After で見るマイGPTの業務インパクト
マイGPTの導入効果を、具体的な数字でイメージしてみましょう。資料ドラフト作成とメール返信を兼務する現場担当者(社歴 3 年目)のケースを想定します。導入前は、ChatGPT に背景説明・トーン指定・指示文を毎回貼り付けており、指示の準備に 1 回 5 分、1 日 6 回で計 30 分(月に約 10 時間)を費やしていました。マイGPTに指示文・トーン・参考資料を事前登録した後は、依頼内容を貼るだけでドラフトが生成されるため、1 回あたりの準備は 1 分未満になります。1 日あたり約 25 分、月に換算すると約 8 時間の削減で、指示準備の時間だけを見れば約 80%の圧縮です。時給 3,000 円換算では月に約 2.4 万円、年間で約 29 万円相当の工数に相当します。数字自体は業務量によって変わりますが、「毎回の指示」が積み重なるほど、型化の効果は大きくなります。
マイGPT利用時の注意点|個人情報・機密データの扱い
マイGPTは手軽に作れる一方、業務で使う以上はデータの取り扱いに注意が必要です。特に次の 3 点は、作成前に確認しておきましょう。
全国8,000人調査で、AI活用方法によって生産性向上に約3.8倍の差が生まれることが判明。
入力した情報の扱いを確認する
ChatGPT には、入力内容をモデルの学習に使わせないための設定(オプトアウト)があります。個人アカウントで業務利用する場合は、データコントロールの設定内容を必ず確認してください。会社として利用する場合は、入力データが学習に使われない法人向けプランの利用を検討するのが安全側の選択です。
関連記事:ChatGPT に学習させない設定方法とは|PC・スマホのオプトアウト手順を解説
ナレッジにアップロードするファイルに注意する
ナレッジに登録したファイルの内容は、マイGPTの回答を通じて引き出される可能性があります。個人情報や社外秘の資料をアップロードする前に、そのマイGPTを誰が使うのか、社内ルール上問題がないかを確認してください。迷う場合は、機密情報を除いた汎用版の資料を作って登録する方法もあります。
共有範囲の設定を確認する
公開範囲を「リンクを知っている人」や「GPT ストアに公開」にすると、想定外の相手がマイGPTを利用できる状態になります。業務情報を含むものは「自分だけ」から始め、共有する場合も対象者を確認してから範囲を広げてください。共有後に設定やナレッジを更新した場合は、その内容も共有相手に見える点を忘れないようにしましょう。
AI活用を業務に広げるときに陥りがちな3つの落とし穴
マイGPTをきっかけに AI 活用を業務へ広げる際、多くの現場で共通してつまずくパターンがあります。GiftX が支援の中で繰り返し見てきた 3 つの落とし穴を紹介します。
落とし穴1 - いきなり全てをやろうとする
複数の業務を一気に AI 化しようとすると、設定も検証も中途半端になり、どれも実用レベルに届かないまま頓挫しがちです。
落とし穴2 - 壮大なAI戦略から考えて手が止まる
全社の AI 戦略や理想像の議論から入ると、検討ばかりが続いて最初の一歩が出ません。動くものを 1 つ作るほうが、議論より多くの学びをもたらします。
落とし穴3 - 既製品のチャット型AIでは業務フローに組み込めない
マイGPTを含むチャット型 AI は手軽な反面、人が都度依頼して結果を確認する使い方が前提です。複数の工程を自動で進める業務フローへの組み込みには、カスタマイズの限界が先に来ます。
スモールスタートで1業務をAIエージェントに任せる
遠回りに見えても、まず 1 業務を選んで小さく始め、成果を確認しながら広げるのが結局は近道です。マイGPTで作業の型化に手応えを得たら、次の段階として、複数工程を自動で進める AIエージェント(目標に向かって自律的にタスクを実行する AI)への発展を検討する価値があります。GiftX では、こうしたスモールスタート前提のAIエージェント構築を 1 業務単位から伴走支援しています。詳細は AIエージェント構築支援サービス をご覧ください。
マイGPTに関するよくある質問
マイGPTについて、検討段階でよく挙がる質問と回答をまとめました。
マイGPTの利用は無料ですか?
公開されている GPT を使うだけであれば、サインイン済みの無料プランユーザーでも利用できます。一方、マイGPTを自分で作成・編集するには有料プランの契約が必要です(2026年7月時点、出典: openai.com)。まず無料で既存の GPT を試し、自作の必要性を感じてから有料プランを検討する流れで問題ありません。
マイGPTに登録するデータには何を使えますか?
用語集、テンプレート、業務手順書、過去の成果物など、テキスト情報を含むファイルが登録できます。回答の品質はナレッジの質に左右されるため、情報が古いファイルや矛盾する資料は避け、整理済みのものを渡すことが大切です。機密情報を含む場合は、共有範囲と社内ルールを先に確認してください。
作ったマイGPTをチームで共有するにはどうすればよいですか?
公開範囲を「リンクを知っている人」に設定し、リンクを共有する方法が基本です。法人向けプランでは、組織内のメンバーだけに公開する範囲設定も使えます。共有前に、ナレッジに含まれる情報を相手に見せてよいかを確認しておくと安心です。
マイGPTとAIエージェントの違いは何ですか?
マイGPTは、人が依頼するたびに応答する「対話型」の仕組みです。一方 AIエージェントは、目標を与えると複数の工程を自律的に進める仕組みで、人の依頼を待たずに業務フローを動かせます。マイGPTで型化した業務が増えてきたら、AIエージェント化を検討する段階といえます。
まとめ|「毎回指示する」から「型に任せる」へ
マイGPT(GPTs)は、ChatGPT に指示文や参考資料を登録して自分専用の AI アシスタントを作れる機能です。利用だけなら無料プランでも可能ですが、作成には有料プランが必要です。毎回の指示にかかる手間を設定として保存できるため、繰り返し発生する定型作業ほど効果が出やすくなります。まずは議事録整形や文書ドラフトなど身近な 1 業務を選び、小さく作って改善を重ねてみてください。そこで手応えを得られたら、複数工程を自動化する AIエージェントへの発展を視野に入れると、AI 活用の次の段階が見えてきます。
業務のAI活用を一歩進めたい方へ
本記事で紹介したマイGPTのような「作業の型化」から、さらに踏み込んで業務フローそのものを自動化したいとお考えの方は、ぜひ GiftX AIエージェント構築支援までお問い合わせください。
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