【2026年調査】マーケティングの生成AI活用実態|利用率・使い方・活用レベル・成果・課題を解説

【2026年調査】マーケティングの生成AI活用実態|利用率・使い方・活用レベル・成果・課題を解説
目次

マーケティングは、生成AIをよく使っている職種です。利用率は7職種で2位、多くが毎日のように使っています。ところが、生産性が「明確に上がった」と実感している人の割合は、7職種で最下位でした。

よく使っているのに、成果は最下位。この一見ちぐはぐな結果には理由があります。GiftXが2026年6月に実施した「ビジネス職生成AI活用実態調査(2026年版)」(事前調査8,000名、本調査はオフィス系7職種のAI利用者669名。うちマーケティング職100名)のデータから、マーケの「伸びしろ」がどこにあるのかを見ていきます。

朝山 高至
AIエキスパート

GiftXにてマーケティング・PdM・AI推進を担当。自社事業GIFTFULにて、AIエージェントを活用したマーケティング・営業業務の自動化を主導。

マーケの生成AI活用は進んでいる|利用率2位・毎日使う

オフィス系7職種の生成AI利用率と利用頻度を比較した棒グラフ

全体では、オフィス系7職種の利用率は約67%、毎日〜週数回の高頻度利用が約77%を占めます(上図)。その中でマーケティングは利用率73.7%で、7職種中2位。ほぼ毎日使う人が41%、週に数回が34%と、全体と同じく日常的にAIを使う職種です。

何に使っているかを見ると、業務の幅広さが目立ちます。全体の傾向とは別に、マーケティング職100人が実際に使っている業務を並べると次のようになります。

用途使っている人の割合
データ分析30%
社内資料の作成29%
メール配信・シナリオ29%
ホワイトペーパー・事例作成28%
画像・動画制作24%
戦略策定23%
広告運用22%
SNS運用・SEO記事作成20%

※複数回答・マーケティング職100人ベース

それでも成果は最下位|「使う量」と成果は比例しない

7職種の生成AI利用率・生産性向上・成果実感を並べて比較したグラフ

上の図は、7職種を利用率・生産性・成果実感で並べたものです。全体で見ると、利用率が高い職種ほど成果実感も高いとは限りません。マーケティングはその典型です。利用率は2位(73.7%)ながら、生産性が「明確に上がった」割合は13%で、7職種で最下位でした(成果・品質は14%)。利用率が近い経営・経営企画(27%)や営業(24%)と比べても、成果実感の差は小さくありません。

職種別に生成AIの利用率と成果実感をマッピングした散布図

職種を「利用率」と「成果実感」でマッピングすると(上図)、マーケティングは「利用は進んでいるが、成果実感がまだ伸びていない」グループに入ります。裏を返せば、使い方次第で成果が伸びる余地が、最も大きい職種です。

伸び悩みの正体は「作らせて終わり」|L2偏重

職種別の生成AI活用レベル(L1〜L4)の内訳を示すグラフ

では、なぜ使う量ほど成果が伸びないのか。使い方のレベルを見ると理由がはっきりします。

AIの使い方は、業務への組み込み度合いで4段階に分けられます(L1 チャットで質問/L2 チャットで作成/L3 覚えさせて実行/L4 AIエージェント化)。全体では約7割がチャットで完結するL1・L2にとどまります。マーケティングはその中でもL2「チャットで作成」が56%と、7職種で最も高い割合です。一方、自社の情報や手順を覚えさせて繰り返し使うL3以上には、なかなか進めていません。

活用レベルマーケティングの割合
L1 チャットで質問12%
L2 チャットで作成56%
L3 覚えさせて実行21%
L4 AIエージェント化11%

資料や文章を、その都度「作らせて終わり」。この使い方が主流である限り、成果は「やや便利」どまりになりがちです。

職種別のAIエージェント化(L4)到達率を示すグラフ

AIエージェント化(L4)の到達率を職種で見ると(上図)、マーケティングは11%です。全体平均(10.5%)と大きくは変わりませんが、L2偏重から抜け出せていない点が、成果の伸び悩みにつながっています。

成果を分ける「深さ×幅」|チャット止まりとの差は約3.8倍

活用レベル別に生産性・成果品質の明確向上率を比較したグラフ

使い方の深さは、成果に大きく効きます。全職種で見ると、チャット止まり(L1+L2)の層で生産性が明確に向上した人は14.3%。AIエージェント化(L4)の層では54.3%と、約3.8倍になります。

活用レベル生産性が明確に向上成果・品質が明確に向上
L1 チャットで質問13.8%19.2%
L2 チャットで作成14.5%16.3%
L3 覚えさせて実行19.4%17.1%
L4 AIエージェント化54.3%44.3%

深さに加えて、使い方の「幅」も成果と関係します。マーケティングでは、AIを使う業務が5つ以上ある人の生産性明確向上が35.7%だったのに対し、4業務以下では4.2%でした(参考値・複数回答)。一つの業務を深く任せ、複数の業務に広げる。この両輪が成果を左右します。

なお、マーケ・営業に絞ると、AIエージェント化層の生産性明確向上は約1.9倍(16.7%→31.8%)です。ただし成果・品質はレベルが上がっても単調には伸びません。「AIを組み込むだけ」では品質は上がらず、育て方が分かれ目になる、と読むのが妥当です。

これらは相関であり、因果を示すものではありません。ただ、成果を実感している層ほど使い方が深く、広い傾向は共通しています。

マーケの詰まり方|指示の手間・自動化に進めない

7職種で見た生成AI活用の課題の内訳を示すグラフ

上の図は、7職種全体で見た課題の全体像です。個人の課題は「どこまで任せてよいか判断できない」「出力の質」「毎回の指示・調整の手間」が上位に並びます。

では、マーケティングに絞るとどうか。特に多いのが「毎回の指示・調整に手間がかかる」(28%)と「チャット相談止まりで自動化に進めない」(28%)です。全体トップの「判断できない」より、マーケでは”手間”と”自動化の壁”が前に出ます。対象チャネルもコンテンツの種類も多く、工程が複雑な分、都度チャットでさばく負荷が高いためです。裏を返せば、業務を覚えさせて型にすれば、伸びしろが大きい領域だといえます。

「作らせる」から「育てる」へ|マーケの最初の一歩

「作らせる」から「育てて任せる」への移行ステップを示す図

伸びしろを成果に変えるには、AIを「その都度作らせる」から「育てて任せる」へ切り替えることが鍵になります。進め方は3つです。

  1. 業務を理解している人が設計に関わる:現場のマーケ業務を知る人がAIの使い方を設計することで、実務で使える出力に近づく
  2. 1つの業務から小さく始める:全業務を一度にではなく、頻出業務ひとつをAIエージェント化の対象にする
  3. 走りながら改善する:一度で完成させようとせず、使いながら学習データと手順を整えていく

突き詰めると、成果を出している層に共通するのは2つの条件です。ひとつは①学習データの整備(自社の情報・手順を、AIが使える形に整えること)。もうひとつは②使いながら育てる(一度で完成を目指さず、改善を重ねること)。

マーケティングなら、データ分析やメール配信シナリオ、ホワイトペーパー作成といった頻出業務のひとつを選び、自社の型やトーンを覚えさせるところから始めるのが現実的です。「作らせる」相手から「任せられる」相手へ。そこに、利用率2位の実力を成果に変える道があります。

まとめ

調査からわかったマーケティングの現在地は、次の3点です。

  • 利用率は7職種で2位(73.7%)と高いが、生産性が「明確に上がった」は最下位(13%)。使う量と成果は比例しない
  • 伸び悩みの正体はL2「チャットで作成」への偏り(56%)で、自社文脈を覚えさせるL3・L4に進めていない
  • チャット止まりからAIエージェント化へ進むと成果は大きく変わる(全職種で約3.8倍)。マーケは伸びしろが最も大きい職種

利用は十分に進んでいます。次の一手は、使う量を増やすことではなく、ひとつの業務を深く育てること。そこに、成果への近道があります。

関連記事:【2026年調査】ビジネス職の生成AI活用実態|職種別の利用率・成果を8,000人調査で解説

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本記事で紹介したマーケティング職のAI活用レベル・成果実感・つまずきの詳細データは、マーケ・営業版の調査レポート「ビジネス職生成AI活用実態調査(2026年版)」にまとめています。自社の現在地を客観データで把握する資料としてご活用ください。

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