Gemini 3.7 Flashとは?3.6 Flashとの違いと料金

Gemini 3.7 Flashとは?3.6 Flashとの違いと料金
目次

Gemini 3.7 Flashは、2026年8月14日に公開されたGoogleの最新モデルです。Geminiアプリのパーソナルエージェント「Gemini Spark」を使っている方は、設定を変えていなくても同じ日からこのモデルで動いています。

本記事では、Gemini 3.7 Flashとは何かという位置づけから、3.6 Flashとの違いをベンチマークの実数で、年内の導入価格と2027年からの標準価格を、使える5つの経路とあわせて整理します。

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Gemini 3.7 Flashとは|コーディングとエージェント向けの主力モデル

読者が「このモデルはどういう立ち位置のものか」を一目で掴めるようにする。最高性能を狙った実験的なモデルではなく、日常的に大量の処理を任せ続ける前提の主力モデルであること、そしてその力が向く先が3つの領域に整理されていることを、中心と周辺の関係で示す。

Gemini 3.7 Flashとは、Googleが「コーディングとエージェント向けで最も高性能なワークホースモデル」と位置づける汎用モデルです。ワークホースは日常的に大量の処理を任せる主力という意味で、最高性能の実験機ではなく、実務で回し続ける前提の設計だと明言している点が特徴です(出典: blog.google)。

関連記事:Geminiとは?できること・料金プラン・モデル体系とChatGPTとの違い

3.6 Flashのわずか3週間後に登場した

Gemini 3.7 Flashは、前世代のGemini 3.6 Flashから間を置かずに公開されました。Googleはこのリリースを「3.6 Flashのわずか3週間後」と表現し、開発者からのフィードバックとアルゴリズムの改良が直接反映された結果だと説明しています。Flashシリーズはもともと速度と価格を重視した系統ですが、今回のリリースではその系統のまま知能を引き上げる方向に振れています。

更新の間隔が短いこと自体が、このモデルを使う側にとっての判断材料になります。数か月かけて社内標準を固めるより、切り替えコストの低い使い方を先に用意しておくほうが、この頻度には追随しやすくなります。

入力・出力とツール利用の範囲

Gemini 3.7 Flashの提供状態は一般提供(General availability)で、プレビューや限定公開ではありません。扱える入出力とツールは次のとおりです(出典: deepmind.google)。

項目Gemini 3.7 Flashの対応範囲
提供状態一般提供(General availability)
入力テキスト / 画像 / 動画 / 音声 / PDF
出力テキスト
入力トークン100万トークン
出力トークン6万4000トークン
ツール利用関数呼び出し / 検索をツールとして利用 / コンピュータ操作

入力が100万トークンまで扱えるため、長い仕様書や複数ファイルをまとめて渡す使い方に耐えます。一方で出力は6万4000トークンが上限なので、長大な成果物を一度に吐き出させるのではなく、工程を分けて呼び出す設計のほうが安定します。PDFを直接入力できる点は、資料を読ませてから作業させる流れをそのまま組める点で扱いやすい仕様です。

Gemini 3.7 Flashの性能と仕組み|ベンチマークで見る3.6 Flashからの改善

Googleは3.7 Flashの改善を、ソフトウェアエンジニアリング・ナレッジワーク・Web開発の3領域に整理しています。ここでは公開されているベンチマークの実数で、3.6 Flashからどれだけ動いたのかを確認します。数値はいずれもGoogle DeepMindのモデルページに掲載された公表値です(出典: deepmind.google)。

関連記事:Gemini 3.6 Flashとは?3モデル同時発表の違い・料金・使い方を整理

コーディングとエージェント実行の指標

コード生成とエージェントの実行精度では、3.6 Flashから明確な差が出ています。

ベンチマーク測るものGemini 3.7 FlashGemini 3.6 Flash
FrontierCode 1.1 Main本番投入できるコードの品質43.6%34.4%
DeepSWE v1.1長い工程のソフトウェア開発65.3%48.6%
Code Arena(Elo)Web開発15881538
Terminal-bench 2.1ターミナル上のエージェント操作85.8%78.0%
Terminal-bench 3.0汎用的なエージェント能力14.9%5.4%

伸び幅が最も大きいのはDeepSWE v1.1で、48.6%から65.3%へ動いています。長い工程を最後まで走り切れるかを測る指標なので、途中で手戻りが起きる頻度が下がったと読めます。Googleも「多段階の計画とツール呼び出しにより多くの労力を割く」「手戻りや監督が減る」と説明しており、ベンチマークの動き方と説明の方向は一致しています。

ただしTerminal-bench 3.0は14.9%で、5.4%から3倍近く伸びてはいるものの絶対値としては低い水準です。汎用的なエージェント能力はまだ発展途上で、人の確認を外して任せきる段階ではないことを示しています。

文書読解とナレッジワークの指標

金融や法務のように、専門的で情報量の多い文書を扱う領域でも数値が動いています。

ベンチマーク測るものGemini 3.7 FlashGemini 3.6 Flash
GDP.pdf専門的なPDF文書の読解34.0%22.0%
AutomationBench企業ワークフローの自動化30.4%17.0%
GDPVal-AA v2(Elo)ナレッジワーク15251422
Harvey LAB-AA複雑な法務ワークフロー90.7%85.1%
GDM-MRCR v2(8-needle・128k平均)長い文脈の保持97.0%91.8%

長い文脈の保持を測るGDM-MRCR v2が97.0%に達している点は、100万トークンという入力上限を実際に使う場合に効いてきます。入力できる量と、入力したものを最後まで覚えていられるかは別の話で、後者が伴わなければ長文投入は成立しないためです。

AutomationBenchが17.0%から30.4%へ動いている点も、業務手順をそのまま任せる用途を考えるうえで参考になります。ただし絶対値は3割程度で、実務の工程をそのまま渡せば通るという水準ではありません。

伸びなかった指標もある

すべての指標で3.6 Flashを上回っているわけではありません。複雑なグラフから情報を読み取るCharXiv Reasoningは、ツールなしで84.5%と、3.6 Flashの85.2%をわずかに下回っています。ツールありでも88.7%対89.4%で、同じく下回ります。

差はいずれも1ポイント未満で、実務で体感できる規模ではない可能性が高い数値です。それでも、モデルの更新が全項目の底上げを意味するわけではないことは押さえておく価値があります。図表の読み取りを主用途にしている場合は、切り替え前に手元のデータで比べたほうが確実です。

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Gemini 3.7 Flashの料金|年内は半額、2027年1月に標準価格へ

Gemini 3.7 Flashは導入価格として、100万トークンあたり入力0.75ドル・出力3.75ドルで提供されています。Googleはこれを「3.6 Flashの当初価格の半額」と説明しています(2026年8月時点、出典: blog.google)。

ここで見落としやすいのは、この導入価格が3.6 Flashにも同じく適用されている点です。Google DeepMindのモデルページの脚注には、3.6 Flashと3.7 Flashの導入価格はいずれも2026年12月31日で終了し、2027年1月1日から100万トークンあたり入力1.50ドル・出力7.50ドルが適用されると明記されています(2026年8月時点、出典: deepmind.google)。

期間入力(100万トークンあたり)出力(100万トークンあたり)
2026年12月31日まで(導入価格)0.75ドル3.75ドル
2027年1月1日から(標準価格)1.50ドル7.50ドル

つまり「半額」は3.6 Flashとの比較ではなく、標準価格に対する割引です。3.6 Flashから3.7 Flashへ切り替えても、いま支払う単価は変わりません。年明けには両方が同じ幅で上がるため、3.6 Flashに留まってもコスト面の回避にはならない構造です。試算するときは、導入価格ではなく標準価格を前提に置いたほうが安全です。

Gemini 3.7 Flashの使い方|5つの経路と、いまAPIから使えるか

読者が「自分はどの入口から使えばよいのか」を迷わず判断できるようにする。利用者の立場を3つに分け、それぞれに対応する入口をぶら下げた階層構造で示す。

Gemini 3.7 Flashは用途に応じて複数の入口が用意されています。自分がどの経路に該当するかで、すぐ使えるのか設定が要るのかが変わります。

個人が使う|GeminiアプリとGemini Spark

個人向けの入口はGeminiアプリです。なかでも24時間稼働するパーソナルエージェント「Gemini Spark」は、Google AI ProとUltraの契約者向けに160か国以上で提供されており、公開と同日から3.7 Flashで動き始めています(出典: blog.google)。

Googleはこの更新により、Google Workspace系アプリでのツール利用が改善し、複数の手順をまたぐ作業での精度と出力品質が上がったと説明しています。具体例としては、ファイルをまとめる、メールの下書きを作る、状況をまとめた資料を更新するといった作業が挙げられています。契約者は明示的な切り替え操作をしていなくても、既にこのモデルを使っている状態です。

関連記事:Gemini Sparkとは?できること・日本での料金・使い方を公式情報で整理

開発者が使う|Google AI Studio・Gemini API・Google Antigravity

開発者向けには、Google AI StudioとAndroid Studio経由のGemini API、そしてエージェント中心の開発環境であるGoogle Antigravityが案内されています。Antigravityはエージェントに複数工程を任せる使い方を前提にした環境で、3.7 Flashの改善方向とかみ合う入口です。

まず試すだけならGoogle AI Studioが最短です。APIキーを取得してコードに組み込む前に、手元のプロンプトで3.6 Flashとの差を確かめてから移行を判断する順序が無駄になりません。

企業が使う|Gemini Enterprise

企業向けにはGemini Enterprise Agent PlatformとGemini Enterpriseアプリから利用できます。あわせてGoogleは、化学・生物・放射性物質・核(CBRN)とサイバー攻撃の領域について悪用対策を更新したうえで提供していると説明しています。

公式ドキュメントはまだ追いついていない

注意しておきたいのは、公開直後の時点で開発者向けドキュメントの整備が追いついていない点です。2026年8月14日時点で、Gemini APIのモデル一覧ページと料金ページに掲載されているFlash系の最新はGemini 3.6 Flashで、3.7 Flashの行はありません。リリースノートの最新エントリも2026年7月21日のGemini 3.6 Flash一般提供のままです(出典: ai.google.dev)。

そのため、正式なモデル識別子の文字列はこの時点の公式APIドキュメントからは確認できません。実装に入る前にGoogle AI Studioでモデル一覧を確認するか、ドキュメントの更新を待つのが確実です。発表と同時にすべての公式情報が揃うわけではない点は、更新の速いモデルを追う場合に織り込んでおくべき前提です。

Gemini 3.7 Flashと他社モデルの比較|Claude Sonnet 5・GPT-5.6 Terraとの違い

Google DeepMindのモデルページには、他社モデルを並べた比較も掲載されています。同じ土俵の数値なので、得意領域の違いを読み取る材料になります(2026年8月時点、出典: deepmind.google)。

項目Gemini 3.7 FlashClaude Sonnet 5GPT-5.6 Terra
入力(100万トークンあたり)0.75ドル2.00ドル2.00ドル
出力(100万トークンあたり)3.75ドル10.00ドル12.00ドル
FrontierCode 1.1 Main43.6%42.7%41.3%
DeepSWE v1.165.3%53.8%69.6%
Code Arena(Elo)158815411523
AutomationBench30.4%10.7%23.6%
GDPVal-AA v2(Elo)152515981578
GDP.pdf34.0%28.0%24.7%

前掲の比較表のとおり、3.7 Flashが優位なのは、Web開発を測るCode Arenaと、企業ワークフローの自動化を測るAutomationBenchです。とくにAutomationBenchは30.4%で、Claude Sonnet 5の10.7%に対して差が開いています。

一方で、前掲の表のとおり全項目を取っているわけではありません。長い工程の開発を測るDeepSWE v1.1はGPT-5.6 Terraが69.6%で上回り、ナレッジワークを測るGDPVal-AA v2はClaude Sonnet 5が1598で最上位です。単価は3.7 Flashが入力で他社の半分以下に収まるため、価格と性能のどちらを優先するかで選択が分かれます。用途がWeb開発や工程の自動化に寄っているほど、3.7 Flashを選ぶ理由が強くなります。

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GiftXがGemini APIを実務で回している事例

ここからは、Gemini APIを実際の業務に組み込んで運用しているGiftXの事例を2件紹介します。モデルの性能そのものより、どの工程に載せるかで成果が決まるという観点で参考になります。

検索意図とペルソナの分析を自動化した事例

読者が「工程を任せると何がどう変わるのか」を具体的に掴めるようにする。手作業でやっていた頃の流れと、自動化したあとの流れを左右に並べ、所要時間の差が一目で分かる対比図にする。

検索上位記事のリサーチ結果から、検索意図とペルソナ、内容の抜けをAIエージェントが自動で抽出する仕組みを内製しました。以前は競合記事を1本ずつ読み、想定読者を推測して手作業でまとめており、1クエリあたり約2時間かかっていました。

現在はクエリを入力すると自動で抽出され、1クエリあたり約3分で完了します。工数はおよそ97%削減されました。ここではGemini APIの検索グラウンディング機能を使っており、モデルに外部情報を参照させる部分が処理の中心になっています。

記事執筆を一気通貫で自動化した事例

競合リサーチから検索意図の分析、構成、本文の執筆、内部リンクの追加までを通しで実行するAIエージェントも内製しています。執筆する側と校閲する側のエージェントを分け、レビューでの指摘を仕組みに書き戻して初稿の精度を継続的に上げる設計です。

以前は1記事あたり約4時間かかっていた工程が、現在は約10分になり、工数は95%削減されました。担当者はレビューと微調整だけを担います。ここでもGemini APIとGoogle Docs APIを組み合わせており、単体のモデル性能ではなく、複数の工程をどうつなぐかが成果を左右しています。

AIエージェント導入で陥りがちな3つの落とし穴

新しいモデルが出るたびに検討を始めても、成果に結びつかないことがあります。ここでは実際によく見る3つのつまずき方を挙げます。

落とし穴1|いきなり全てをやろうとする

最初から複数の工程をまとめて自動化しようとすると、検証すべき箇所が増えて原因の切り分けができなくなります。どこで精度が落ちているのかが見えないまま、全体の評価だけが下がります。

落とし穴2|壮大なAI戦略から考えて手が止まる

全社的な方針を固めてから着手しようとすると、決めるべき論点が増えて着手が遅れます。モデルの更新は3週間単位で起きており、方針を固め終える頃には前提が変わっています。

落とし穴3|既製品のチャット型AIでは業務フローに組み込めない

チャットに都度質問する使い方では、既存の手順やデータとつながらず、担当者が毎回入力し直すことになります。実際、GiftXの調査ではAIエージェントが複数工程を半自動以上で進める段階に到達している人は10.5%にとどまり、約7割がチャットで質問や作成をする段階でした。

詳細な調査データは「ビジネス職生成AI活用実態調査(2026年版)」にてご覧ください。

スモールスタートで1業務をAIエージェントに任せる

有効なのは、1つの業務に絞って自動化し、成果を確かめてから広げる進め方です。前掲の事例も、記事執筆という単一の工程から始めて、そこで得た知見を隣の工程へ広げています。工程を1つに絞れば、モデルが3.7 Flashへ変わったときも比較する対象が明確で、切り替えの判断が短時間で済みます。

GiftXでは、こうしたスモールスタート前提のAIエージェント構築を1業務単位から伴走支援しています。詳細はAIエージェント構築支援サービスをご覧ください。

Gemini 3.7 Flashに関するよくある質問

Gemini 3.7 Flashはいつ公開されましたか?

2026年8月14日です。Google DeepMindの公式アカウントによる発表は同日2時4分で、Gemini 3.6 Flashの一般提供から約3週間後にあたります。

Gemini 3.7 Flashと3.6 Flashの違いは何ですか?

コード生成とエージェント実行、文書読解の指標で改善しています。長い工程の開発を測るDeepSWE v1.1は48.6%から65.3%へ、専門的なPDF文書の読解を測るGDP.pdfは22.0%から34.0%へ動きました(出典: deepmind.google)。ただし図表の読み取りを測るCharXiv Reasoningはわずかに下回っています。

Gemini 3.7 Flashの料金はいくらですか?

導入価格は100万トークンあたり入力0.75ドル・出力3.75ドルです(2026年8月時点、出典: deepmind.google)。この導入価格は2026年12月31日で終了し、2027年1月1日からは入力1.50ドル・出力7.50ドルになります。同じ導入価格が3.6 Flashにも適用されています。

Gemini 3.7 FlashはGemini Sparkで使えますか?

使えます。Google AI ProとUltraの契約者向けに160か国以上で提供されており、公開と同日から3.7 Flashで動いています。利用者側での切り替え操作は必要ありません。

Gemini 3.7 FlashはGemini APIからすぐ使えますか?

2026年8月14日時点で、Gemini APIのモデル一覧ページと料金ページ、リリースノートのいずれにも3.7 Flashの記載がありません。正式なモデル識別子はこの時点の公式ドキュメントからは確認できないため、Google AI Studioでモデル一覧を確認するか、ドキュメントの更新を待つのが確実です。

まとめ

Gemini 3.7 Flashは、2026年8月14日に公開されたコーディングとエージェント向けの主力モデルです。前掲のとおり、3.6 Flashからの改善はコード生成と工程の実行、専門文書の読解に集中しており、なかでも長い工程の開発を測るDeepSWE v1.1は48.6%から65.3%へ動きました。一方で図表の読み取りはわずかに下回っており、更新が全項目の底上げを意味するわけではありません。

料金は導入価格が100万トークンあたり入力0.75ドル・出力3.75ドルですが(2026年8月時点)、同じ価格が3.6 Flashにも適用されており、2027年1月1日に両方そろって標準価格へ移行します。試算するなら標準価格を前提に置くのが安全です。使う側にとって重要なのは、どのモデルを選ぶかよりも、1つの業務に絞って任せる形をつくっておくことです。工程が明確であれば、次のモデルが出たときも切り替えの判断が短時間で済みます。

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石塚 悠悟
AIエキスパート

GiftX共同代表。デロイト トーマツ/PwCでのコンサルティングを経て、ホットリンク執行役員として事業領域全体(デジタルマーケティング支援事業・SaaSプロダクト事業)・バックオフィス領域を統括。AI活用・業務自動化・エージェント構築の実務に注力。

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