【2026年調査】経営者の生成AI活用実態|役職別の利用率・活用レベルと組織の課題を解説

【2026年調査】経営者の生成AI活用実態|役職別の利用率・活用レベルと組織の課題を解説
目次

生成AIを最も使いこなしているのは、現場ではなく経営層です。業務そのものをAIエージェントに任せている割合は、経営者・役員が一般社員の2倍以上にのぼります。ところが組織全体を見ると、AI活用が「個人任せ」になっている実態があります。

使いこなす経営者ほど、次に問われるのは「自社全体にどう広げるか」です。GiftXが2026年6月に実施した「ビジネス職生成AI活用実態調査(2026年版)」(事前調査8,000名、本調査はオフィス系7職種のAI利用者669名)のデータから、役職ごとの活用の違いと、経営が向き合うべき課題を見ていきます。

朝山 高至
AIエキスパート

GiftXにてマーケティング・PdM・AI推進を担当。自社事業GIFTFULにて、AIエージェントを活用したマーケティング・営業業務の自動化を主導。

経営層ほどAIを使いこなす|役職別に見る現在地

経営層ほどAIを使いこなす|役職別に見る現在地

AIの使い方の深さは、役職が上がるほど高くなります。利用率そのものは管理職が最も高いものの(一般社員42%・管理職69%・経営者・役員62%)、業務にどう組み込むかを見ると差がはっきりします。業務そのものをAIエージェントに任せるレベル(L4)に到達している割合は、経営者・役員が21%と、一般社員(8%)の2倍以上です。

役職チャット止まり(L1+L2)L3 覚えさせて実行L4 AIエージェント化
一般社員74%18%8%
管理職66%21%13%
経営者・役員55%24%21%

※役職別は参考値(経営者・役員 n=62)

役職による差は、使い方の深さだけではありません。成果の実感そのものも、役職が上がるほど高くなります。生産性が「明確に上がった」と答えた割合は、一般社員17%、管理職23%、経営者・役員29%。深い使い方と成果実感が、役職とともに階段状に上がっています。

役職生産性が明確に向上
一般社員17%
管理職23%
経営者・役員29%

※役職別は参考値(経営者・役員 n=62)

経営層は判断業務が多く、AIに任せる範囲を自分で決められる立場にあります。だからこそ、単なるチャット利用にとどまらず、業務に深く組み込む使い方まで進みやすいと考えられます。

使い方の4レベル|経営層はエージェント化まで進む

使い方の4レベル|経営層はエージェント化まで進む

AIの使い方は、業務への組み込み度合いで4段階に分けられます(L1 チャットで質問/L2 チャットで作成/L3 覚えさせて実行/L4 AIエージェント化)。全体では約7割がチャットで完結するL1・L2にとどまります。

その中で経営者・役員は、自社の情報や過去の判断を覚えさせて繰り返し使うL3・L4へ、最も進んでいる層です。裏を返せば、現場(一般社員)はまだチャット利用が中心で、活用の深さに役職間で差があるということです。この差が、次の課題につながります。

成果を分ける「深さ」|チャット止まりとの差は約3.8倍

成果を分ける「深さ」|チャット止まりとの差は約3.8倍

使い方の深さは、成果に大きく効きます。全職種で見ると、チャット止まり(L1+L2)の層で生産性が明確に向上した人は14.3%。AIエージェント化(L4)の層では54.3%と、約3.8倍になります。

活用レベル生産性が明確に向上成果・品質が明確に向上
L1 チャットで質問13.8%19.2%
L2 チャットで作成14.5%16.3%
L3 覚えさせて実行19.4%17.1%
L4 AIエージェント化54.3%44.3%

深く使うほど成果が跳ねる、という関係は明確です。経営層自身がこれを体現している一方で、この深い使い方が現場に広がっていないことが、全社の成果を伸ばす上での課題になります。

なお、これはクロス集計による相関であり、因果を示すものではありません。

最大の壁は「個人任せ」|組織の課題

最大の壁は「個人任せ」|組織の課題

上の図は、7職種全体で見た課題の全体像です。個人の課題は「どこまで任せてよいか判断できない」「出力の質」「毎回の指示・調整の手間」が上位に並びます。

一方、組織の課題として最も多く挙がったのが「AI活用が個人任せになっている」で、全体で26%。経営職に限ると37%と、さらに突出しています。使える人は使いこなしているが、その知見が個人にとどまり、組織の仕組みになっていない。これが、経営が向き合うべき最大の壁です。

意欲が足りないわけではありません。「もっと活用したい」と答えた人は約6割(59.9%)。足りないのは、AIを業務に組み込む仕組みと、蓄積されるナレッジのほうです。ここを整えるのは、現場ではなく経営の役割です。

※組織の課題は複数回答(合計は100%を超えます)。

経営が主導する|「個人任せ」から「組織の仕組み」へ

経営が主導する|「個人任せ」から「組織の仕組み」へ

AI活用を全社の成果につなげるには、経営が主導して「個人任せ」を「組織の仕組み」へ変えることが鍵になります。成果を出している層に共通する進め方は3つです。

  1. 業務を理解している人が設計に関わる:各業務を知る人がAIの使い方を設計することで、実務で使える出力に近づく
  2. 1つの業務から小さく始める:全社一斉ではなく、成果の出やすい業務ひとつをAIエージェント化の対象にする
  3. 走りながら改善する:一度で完成させようとせず、使いながら学習データと手順を整えていく

突き詰めると、成果を出している層に共通するのは2つの条件です。ひとつは①学習データの整備(自社の情報・業務手順を、AIが使える形に整えること)。もうひとつは②使いながら育てる(一度で完成を目指さず、改善を重ねること)。

経営者なら、自身の使いこなしを個人の武器で終わらせず、成果の出やすい業務から全社展開の型をつくり、仕組み・ナレッジ・学ぶ機会を整えることが現実的な一手です。「個人任せ」から「組織の仕組み」へ。そこに、全社の成果を伸ばす道があります。

まとめ

調査からわかった経営層とAI活用の現在地は、次の3点です。

  • AIを最も使いこなしているのは経営層。AIエージェント化(L4)到達は経営者・役員21%で一般社員(8%)の2倍以上、生産性の明確向上も29%対17%と役職で階段状に高い
  • 深く使うほど成果は跳ねるが、その使い方が現場に広がっていない
  • 最大の壁は「AI活用が個人任せ」(経営職37%)。個人の知見を組織の仕組みへ変えるのは経営の役割

経営層は、AIを最も使いこなしている層です。次の一手は、その使いこなしを個人の武器で終わらせず、組織の仕組みへと広げること。そこに、全社の成果を伸ばす道があります。

関連記事:【2026年調査】ビジネス職の生成AI活用実態|職種別の利用率・成果を8,000人調査で解説

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本記事で紹介した役職別のAI活用レベル・成果実感・組織課題の詳細データは、調査レポート「ビジネス職生成AI活用実態調査(2026年版)」にまとめています。自社の現在地を客観データで把握する資料としてご活用ください。

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